キヤノン「EOS R6 Mark II」の電子シャッターはこのクラスでは断然素晴らしい性能

DPReviewに、キヤノン「EOS R6 Mark II」の初期レビューの第二弾が掲載されています。

Canon R6 II vs R6: What's new and why it matters to you

  • EOS R6 Mark II の外観は非常に見慣れたものに見えるが、実際には多くのアップグレードが施されている。
  • EOS R6 Mark II はセンサーの解像度が2000万画素から2400万画素に高画素化されたが、リニアな解像度が10%向上しただけで、このためにアップグレードするほどのものではない。
  • R6 Mark II の画像処理エンジンはDIGIC Xで名称はR6と同じだが、全く新しいもので、このプロセッサーのもたらす効果(詳細は後述)の方が、高画素化よりもむしろ実感できるかもしれない。

  • ローリングシャッター歪みは最小限に抑えられており、また非常にキビキビとした撮影を実現している。R6 Mark II の新型センサーは裏面照射型でも性能を追求した積層型でもないが、それでも旧型よりも遥かに高性能だ。ローリングシャッター歪みは非積層型のセンサーとしては驚くほど少ない。唯一の欠点はRAWの深度が12bitに制限されることだが、これは珍しいことではなく、十分に価値のあるトレードオフだ。
  • AFはDPRreviewTVのチームが、連写の最初のフレームから素早く被写体にロックしていることを確認しており、自信を抱かせるものだ。DPReviewTVのジョーダン氏によると、プリプロダクションモデルでは動画のAFはもう少し食付きが欲しいところのようだ。また、新しい検出のみのAFモードは、追尾中の被写体が画面外に完全に外れると、カメラは新しい被写体を探すのを止めてしまう。
  • R6 Mark II では従来の電源スイッチがスチル/動画切替スイッチになり、グリップ側に新しく電源スイッチが追加されており、初代R6のユーザーは慣れが必要だ。しかし、片手で電源操作ができるようになっただけでなく、スチル/動画の切替スイッチはモードダイヤルと連動しており、メニューを使用せずに露出モードの設定ができるのが大きなメリットでこの操作に習熟する価値がある。

  • R6 Mark II の動画は30分の時間制限がなくなり、4K60pがクロップなしの全幅になっているが、悪いニュースもあり、録画開始後はヒストグラムやレベルゲージが使えない。
  • DIGIC Xプロセッサーは名称こそ同じで性能も従来のものとほぼ同じだが、効率が大きく向上しており、バッテリーライフがスチルで50~60%と大幅に改善されている。また、発熱も低減されており、キヤノンは4K60p全幅読み出しで40分以上の録画が可能だと主張している(テストでは温度警告なしで4K60pで1時間録画できるのことを確認した)。
  • EVFにOVFシミュレーション機能が搭載されたが、EVFがHDR対応ではないので視覚的な向上は感じられない。
  • R6 Mark II は外観はR6とあまり変化していないが、内部は明らかに大きく変わっている。高画素化はアップグレードするほどの価値はないかもしれないが、電子シャッターは驚くほど有用で、この価格のカメラとしては断然素晴らしい性能を発揮する。そして、バッテリーライフの改善やAI搭載のAFによってより快適に撮影できるだろう。これらの機能を価格据え置きで提供しているのは、現在の情勢ではとても素晴らしいことだ。

 

EOS R6 Mark II の新型センサーは非積層型なので、電子シャッターの性能改善はそれほど期待できないかと思っていましたが、非積層型のセンサーとしてはローリングシャッター効果は少なく、スキャン速度はかなり優秀なようです。また、画像処理エンジンの改良によるバッテリーライフの大幅な改善や、発熱の抑制も使い勝手の改善に大きく貢献しそうでポイントが高いですね。