京セラ/ヤシカ「サムライ」は左利き用も存在した斬新なカメラ

読売新聞に、80年代後半に一世を風靡した京セラ/ヤシカのハーフサイズのレンズ固定式一眼レフ「サムライ」に関する記事が掲載されています。

「サムライ」は「左利き用」もあった斬新なカメラ

  • 京セラは、ブランドイメージを確立するため、大衆的なコンパクトカメラと、高級な一眼レフカメラの中間となる「コンパクト一眼レフカメラ」をコンセプトに開発を開始。この計画は「サムライ」と名付けられた。まるで8ミリビデオカメラのような斬新な外観の試作機が完成し、稲盛和夫会長自身が「これはいける」と即座にゴーサインを出したという。
  • 87年11月に発売された「サムライ」シリーズは、年間18万台、累計60万台を販売する大ヒットを記録。88年には、カメラ記者クラブが選ぶ最も優れたカメラとして「日本カメラグランプリ」を受賞した。
  • サムライの基本構造の大きな特徴として、フィルムを巻き上げる方向を、一般的な横方向ではなく、縦方向にしたことで、従来のハーフ判カメラの基本構図が「縦位置」だったのに対し、一般的な35ミリ判同様、「横位置」になったことがあげられ、多くのファンを獲得した一因にもなった。
  • ヒットを背景に、89年には小型化した改良版の「サムライZ」を発売。この時、左利き用として「サムライZ-L」も登場した。
  • デジタル技術の進歩で、カメラの小型化も急激に進んだ今、「左利き用」をうたって登場するカメラが出てくる可能性は低く、「サムライZ-L」は唯一無二の「左利き用カメラ」として歴史に名を残すことになるだろう。

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80年代後半に大ヒットしたサムライですが、今見ても斬新なデザインで、フィルムを上下方向に送るなど独創性に富んだ非常に面白いカメラですね。サムライには左利き用も登場したということですが、左利き用を開発する余裕があるほど売れたということなので、このカメラが当時いかに人気があったかわかりますね。京セラがカメラ事業から撤退してしまったのが残念です。