ソニー「α7R V」はスチル機として超レベルアップしたカメラ

ITmediaに、ソニーの新しい高画素機「α7R V」のレビューが掲載されています。

待望のスチル機が超レベルアップ

  • 最近のαは映像に力を入れてるなという印象が否めず、写真がメインな人はもうちょっと写真・静止画にも力を入れてくれと思っていたに違いない。そこに登場したα7R VはRシリーズに相応しい、写真機として超レベルアップしたカメラだ。
  • 画質面ではいうことない。ディテールの描写力もさることながら色のリッチさも階調の滑らかさも良い。
  • ボディ内手ブレ補正は最高8段にアップ。(24mmで)F8まで絞って手持ちで撮ってシャッタースピードは0.6秒。さすがに1秒超えは難しいが、思ったより効きがいい。

  • 続いての注目は被写体検出AFの進化。ソニーはα7 IVでも人と動物と鳥にとどまっていたが、α7R Vで一気に強化してきた。トラッキング維持特性や認識部位も指定でき、瞳や顔が見えてなくても「体」を捉えてくれるのはうれしい。
  • 非常に暗くなると被写体検出AFがうまく働かないこともあった(通常のAFならかろうじて捕捉できる)。
  • 連写速度は秒10コマ。そこは速さより画質を重視したモデルということでいいだろう。
  • リアルタイムトラッキングが相変わらず優秀なので、AF-Cで被写体を追いつつ撮るのも得意だ。

  • ISO感度はISO100から最高でISO32000。さらに拡張ISO感度でISO102400まで行けるが、高画素な分、画素数を抑えたα7 IVに比べるとちょっと低い。常用はISO12800くらいか。
  • 電子シャッター時のローリングシャッター歪みはけっこう大きい。電子シャッターも使えるが、基本的にメカシャッターで撮るカメラと思っていいだろう。
  • 背面モニターはチルト式とバリアングル式が合体したマルチアングル式。これが素晴らしい。(チルトとバリアングルの)両方を組み合わせれば全部のメリットを享受できるというわけだ。

  • 動画撮影機能も充実しており、最高で8K(24fps)までいける。でもやはり、α7Rシリーズは動画より静止画に軸足を強く置いたカメラだと思う。
  • 価格はα7R IVの発売時よりかなり上がっており、質量もα7R IVに比べると50g以上重くなるなど、全体にヘビーになっているのは悩ましいが、電子シャッターや高速連写を多用するならα1、じっくり高画質な写真を撮るならα7R Vだと思う。

 

α7R VはAIベースのAFや、8段分の効果の強化された手ブレ補正、チルトとバリアングル両方の機構を採用した新しい可動式モニタなど、とても見どころの多い機種ですね。

どちらかと言えばスチル重視のカメラですが、動画の部分でも結構進化していて、センサー据え置きにもかかわらず非常に大きなモデルチェンジになっているという印象です。α7R Vで開発されたAIベースのAFやIBIS、可動式モニタなどの機能が、他のαシリーズの機種に採用されるのも楽しみですね。