ソニー「α7R V」はディテールは旧型と同レベルでノイズはわずかに多い

DPReviewのレビューに、ソニーα7R Vのスタジオシーンが追加され、スチルと動画の画質、動画のローリングシャッターのスキャン速度に関するテスト結果が追加されています。

Sony a7RV review updated

  • α7R Vのディテールは旧機種(α7R IV)と同レベルで、他のフルレイズのライバルには勝っているが、GFX100Sには後れを取っている。α7R Vはローパスレスのようで、高周波・高コントラストの被写体ではエイリアシングや偽色が現れるリスクがある。また、ライバルよりも若干ノイズが多く、これは超高感度域でより顕著になる。
    (※下の画像は同一サイズでの比較です)

sony_A7RV_comp_dpr_001.jpg

  • JEPGでは優れたシャープネスの処理によって、ディテールを最大限に引き出している。JPEGは色再現も優れており、ブルーは他のカメラよりも豊かな発色で、空の写真にはパンチがある。発色は実写でも好印象だ。
  • RAWファイルにミディアムとスモールのサイズがあり、画像の縮小方法は公開されていないが、テスト結果からラインスキップやピクセルビニングではなく、6100万画素のフル解像度の画像を使用していることが分かる(スモールサイズでもラージサイズと同じ頻度で偽色が発生するため)。その結果、α7R Vスモールサイズの画像はネイティブ解像度のカメラ(2400万画素機)に比べて、遥かにディテールに富んでいる。しかし、小さいサイズのRAWでもノイズ低減のメリットはなく、厳しい条件下の高感度撮影ではノイズは低画素機のライバルには及ばない。
  • ピクセルシフトマルチショットは素晴らしいディテールが得られる。動体を補正する機能も追加され、動きのある部分は再現性が低下するものの、実写でより有用なツールになった。
  • ダイナミックレンジの限界を調べるためにシャドー部を持ち上げると、旧型のα7R IVと比べてわずかにノイズが多くなっているのが分かる。これは非常に小さい差で、並べて比較しないと気付かない程度だ。

  • 動画はセンサーの全画素を使用しない全幅の4Kは、6.2KからオーバーサンプリングされたAPS-C/Super35クロップほどはディテールが優れていない。APS-C/Super35のクロップでは約1.2段分ノイズが増える。
  • 8K動画は1.24倍にクロップされるが期待通りの精細さだ。しかし、ローリングシャッター歪みが非常に大きい。同じ1.24倍クロップの4K60pの動画はローリングシャッター歪みは抑えられるが、より高画質な4Kモードと比べるとディテールは明らかに劣る。

sony_A7RV_movie_scanspeed_dpr_001.jpg

  • α7R Vには8Kが追加されたが、大部分の動画モードでは大幅なクロップか大きなローリングシャッター歪み、またはその両方が発生し、動画に長所は見いだせない。スチル優先でたまに動画が必要なだけなら、α7R Vは上手く機能するだろうが、高解像度かつ歪みの少ない動画を望むなら積層型センサーのα1に投資する必要がある。

 

α7R Vはα7R IVよりも若干ノイズが多いようですが、わずかな差なので、実写で問題になることはなさそうです。ディテールに関してはほぼα7R IVと同等のようで、他のフルサイズ機よりも有利ですが、高感度ノイズではやはり画素数が多い分だけ他機種に後れを取っているようです。

動画は、8Kやオーバーサンプリング4Kなどの高画質な動画モードではローリングシャッター歪みがかなり目立ち、逆にローリングシャー歪みの少ないモードでは画質が今ひとつという評価で、これは動画メインで使うには少々悩ましい仕様かもしれませんね。