キヤノン「EOS R6 Mark II」はこの価格帯では最高のカメラだがバッファの小ささが弱点

DigitalCameraWorldに、キヤノン「EOS R6 Mark II」のレビューが掲載されています。

Canon EOS R6 Mark II review

  • EOS R6 Mark II の大きさ重さ形状は旧型のR6とほぼ同じだ。ボディはポリカーボネート製で、堅牢で信頼性の高い優れた品質だ。
  • R6 Mark II を手にするとグリップは深く手が吸い付くようで、非常に頑丈に感じられる。グリップは快適で、すべてのボタンに容易に指が届く。RF24-70mm F2.8Lのような重いレンズを装着していても、片手で安心して持つことができる。
  • デザインは無難な昔ながらのキヤノンのデザインで、他のメーカーのカメラを手にしたときのような感動がない。撮影では最高の結果が得られるかもしれないが、カメラと一緒に過ごす時間の楽しみがキヤノンのカメラには欠けている。
  • 背面の操作系はボタンが多すぎず、多くの機能を素早く操作することができるので不満はない。キヤノンにはEOS RのマルチファンクションバーやEOS R7のサブ電子ダイヤルなど、癖のある操作系もあるが、キヤノンがR6 Mark IIにR6で成功を収めた操作系を採用しているのは非常に喜ばしいことだ。
  • ボディ上面は電源スイッチを右側に移動させることで、カメラを右手でより簡単により素早く起動できるようになり、とても効果的だ。また、左側に新たに加わったフォト / ビデオのクイックスイッチは、ハイブリッド撮影者にとって素晴らしい機能追加となった。
  • メニューは引き続き業界で最高のもので、更にいくつかの便利な改良が加えられている。

  • EOS R6 Mark II のAFは以前にも述べたが大変素晴らしいもので、どの測距点を使っても完璧に動作する。ダンサーの撮影では暗い状況でも顔や瞳に確実にロックし、ダンサーがどのように動いてもR6 II はピントを合わせ続けることができた。このカメラはベストのAF性能を実現している。
  • 飛行機の撮影ではAFは瞬時に被写体を認識し、コクピットを追従することができた。鳥の撮影では鳥が木や葦に隠れていても認識した。
  • 鳥や動物の瞳認識は、明るい環境では瞳と頭部とのコントラストが高い色の動物では上手く機能したが、毛や羽根の色が濃い動物の場合は苦戦した。AFが動物の形を認識していても、頭や瞳の位置を誤って認識してしまうことが何度かあった。また、まれにAFの認識が瞳、頭、体全体の間を高速で行き来して不安定になることがあった。
  • キヤノンはR6 II でコンティニュアスAFをオフにすることを許可しないという非常に困惑する仕様を採用した。USMレンズでは連続したAFはそれほど問題ないが、ローエンドのうるさいレンズでは絶え間ないレンズの動きと作動音はあまり良いことではない。結婚式や公演などの静かな環境ではこれは問題で、バッテリーの消耗も懸念される。

  • JPEGは撮って出しで使えるもので、高感度でも十分な画質が得られ、ISO12800を超えるまではノイズも気にならない。R6 Mark II のRAWは素晴らしく、ダイナミックレンジが大きく改善され、シャドウとハイライトのディテールをより多く回復できるようになった。
  • 40コマ/秒の連写ではローリングシャッター歪みが心配だったが、実際に使ってみたところ、動きの速い鳥の撮影でも全く問題を感じなかった。
  • RAWで75枚のバッファは、このカメラの足かせになっていると思われる唯一の点で、40コマ/秒の連写では何度かバッファが一杯になってしまった。これはCFexpressではなくSDカードを採用しているためかもしれない。しかし、このバッファのサイズは12コマ/秒のメカシャッターを使うなら問題にならない。
  • 動画はディテールと解像力が素晴らしく、後処理なしてそのまま使うことができる。IS搭載レンズとの組み合わせでは、手ブレ補正は動きながらの動画撮影でも岩のように安定していた。注意点としては最新かつ最高速のSDカードでないと、最高設定で録画する場合、録画が止まることがあった。

  • ラボテスト(解像力):解像力に関しては、R6 IIとZ6 II 、S1の3機種の2400万画素機でほとんど差はなかったが、3300万画素のα7 IVは小さいながらも解像力では明確に優位だ。

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  • ラボテスト(ダイナミックレンジ):R6 II は低感度では競合機と同等のダイナミックレンジを実現しているが、ISO800ではZ6 II やS1に及ばなくなり、感度が上がるにしたがってその差は広がり、最終的には2段分の差がついてしまった。

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  • ラボテスト(S/N比):ここではZ6 II とS1が最もクリーンだが、R6 II もそれほど差を付けられておらず、全域でわずかにノイズが多いだけだ。

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  • 結論:EOS R6 Mark II は羊の革をかぶった狼のようなカメラで、控えめな小さなボディに凶暴な牙を隠している。以前は、ミドルレンジのカメラでは何かを妥協しなければならないことがあったが、キヤノンはEOS R6 Mark II でこの状況を変えた。このカメラはこの価格帯で買えるカメラとしては明白に最高のカメラで、兄貴分のR5にも肉薄している。
  • 良い点:6KオーバーサンプリングHDMI動画、40コマ/秒の連写、AFのAIモードが驚くべき性能、クラスをリードするIBIS。
  • 悪い点:SDカードスロットのみ、AFが必ずしも常に正確ではない。

 

ここではEOS R6 Mark II は全体的に非常に高い評価になっていて、特にAFは高評価ですが、状況によっては被写体認識が迷う場面もあるようで、まだまだAFに改善の余地はあるようです。画質に関しては、このクラスの他のカメラとほぼ同等ですが、高感度域のダイナミックレンジだけは少し後れを取っているようですね。

弱点と述べられているバッファに関しては、メディアがSDカードで連写速度が最高で40コマ/秒なので、あまり持たないのは、このクラスのカメラでは仕方のないこところかもしれません。