キヤノンのフルサイズ用の「18-55mm F4-6.5」「20-55mm F4-6」の特許出願

キヤノンがフルサイズミラーレス用の「18-55mm F4-6.5」と「20-55mm F4-6」の実施例を含む、ズーム域をワイド側に広げながら高い光学性能が得られる小型のズームレンズの技術に関する特許を出願しています。

IP Force

  • 出願人:キヤノン株式会社
    公開番号:P2023010106
    出願番号:P 2021113967
    公開日:2023-01-20
    発明の名称: ズームレンズおよびそれを有する撮像装置
  • 【課題】広角化を図りながら高い光学性能が得られる小型なズームレンズを提供する。
  • 近年、撮像装置に用いるレンズ系には、レンズ系全体が小型でありながら高い光学性能を有することが強く要望されている。レンズ系全体の小型化を図りつつ、良好な光学性能を得るには、各レンズ群の屈折力や各レンズ群のズーミングに伴う移動条件等を適切に設定することが重要となる。特に、撮像素子が大きいカメラにおいて広角化を図りつつ、所望の倍率を確保した場合、前玉レンズが大型化する傾向があり、各レンズ群の構成を適切にする必要がある。
  • 本発明は、広角化を図りながら高い光学性能が得られる小型なズームレンズを提供することを目的とする。

  • 実施例1(18-55mm F4-6.5)
    ズーム比 2.87
    焦点距離 18.50 32.06 53.01
    Fナンバー 4.11 5.27 6.48
    半画角 49.17 34.18 22.02
    像高 18.50 21.64 21.64
    レンズ全長 117.88 125.56 150.43
    バックフォーカス 19.52 17.08 24.90

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  • 実施例4(20-55mm F4-6)
    ズーム比 2.70
    焦点距離 19.72 32.07 53.16
    Fナンバー 4.12 5.08 6.07
    半画角(°) 48.13 35.50 22.43
    像高 18.50 21.64 21.64
    レンズ全長 126.89 137.98 162.14
    バックフォーカス 21.40 30.38 51.52

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18-55mm F4-6.5はAPS-Cのキットレンズのようなスペックですが、像高からフルサイズ用のレンズです。最近はパナソニック20-60mm F3.5-5.6やソニー20-70mm F4、タムロン20-40mm F2.8などの広角側を広げた標準ズームが次々に登場していますが、キヤノンも同じような広角側を広げた標準ズームの製品化を考えいてるのかもしれませんね。

実施例のレンズはいずれもF値の大きい暗いレンズで、また、広角側の歪曲は極めて大きく電子補正に強く依存しているので、製品化されるとしたら非Lの比較的安価なレンズになる可能性が高そうです。