パナソニック「LUMIX S5 II」のAF性能は「Z6II」に優り「α7 III」と同等だが「α7 IV」「EOS R6 Mark II」には及ばない

DPReviewTVに、像面位相差AFを初採用したパナソニックの新型カメラ「LUMIX S5 II」のレビュー動画が掲載されています。

DPReview TV: Panasonic S5 II Review

  • ボディはハイエンド機と同じ品質ではないが、軽量コンパクトで耐候性があり、親しみ深く好ましいものだ。背面にはジョイスティックが搭載され、デュアルSDカードスロットとフルサイズのHDMI端子が採用されている。これは素晴らしい改良だ。
  • センサーの画素数はこれまで同じ2400万画素だが、像面位相差AFが採用された最新のセンサーが採用されている。
  • 9600万画素のハイレゾモードは動体補正があり、より詳細なディテールが得られる。
  • IBISは改善され、動画では非常に安定しており、スチルの撮影でも感銘を受けた。IBISは70-200mmF4の105mm焦点距離で1/6秒ではシャープな画像が得られ、1/3秒ではブレ始めたがこれは非常に素晴らしい性能だ。
  • 動画の手ブレ補正はこれまでがm4/3の方が遥かに優れていたが、S5 II は左右の動きではGH6に少し劣るがほぼ同等の性能になった。また、Boost ISモードは劇的に改善され、三脚に固定したような効果が得られる。このモードでは、これまでテストした全てのカメラの中で最も安定している。
  • 電子シャッターは30コマ/秒だが、ローリングシャッターのスキャン速度は25ms(1/40秒)でそれほど速くはない。メカシャッターはAF追従で7コマ/秒、固定で9コマ/秒だ。

  • 新しいハイブリッドAFシステムは、コンティニュアスAFでジッター(前後の細かい動き)がなくなったのが非常に気に入っている。AFの動きは極めて滑らかだ。瞳認識はかなりテストしたが非常に上手く機能し、瞳を認識できない場合は顔、顔が見えない場合は胴体を認識する。動物認識は鳥では良好に機能した。AFの的中率は非常に良好だった。
  • スチルのAFは数日間使って見て、顕著な改善が確認できた。被写体認識AFは素早く被写体を捉えて正確なピントが得られ、ポートレートでは実に素晴らしい仕事をした。動体に関しては、最も被写体への追従性を高くした設定でも完璧ではなく、ピントを外したり、後ピンになる傾向があった。
  • 動画のAFは人の追尾では非常に優れていたが、カメラと人の両方が動いている場合は少し苦戦した。人以外ではプルフォーカスのフォーカスの移行までに少し間があくが、これはファームアップで改善できると思う。動画のAFはZ6やEOS R6よりも優れており、より正確でより速いα7 IVには及ばないがこのカメラはS5IIよりも高価だ。同価格帯のα7 IIIよりは動画のAFは優れている。
  • 動画は6K24p 200Mbps動画モードでは、室温21度の環境で、バッテリーがなくなる1時間44分録画することができ、オーバーヒートの警告が出ることはなかった。
  • 動画はGH6の方が読み出し速度が速く動画モードも豊富だが、歩きながらの撮影、特に暗い場所での動画撮影ではS5IIがGH6よりも良好な結果が得られた。

  • まとめ:S5 II は1999ドルの競争力のある価格で、最新のライバルに匹敵する性能のカメラにアップデートされた。位相差AFが採用したので、AFに関する弱点はもはやない。画質はこのクラスの他のライバルと同等だ。
  • AFはニコンZ6IIには若干勝っており、α7 III に非常に近い。EOS R6には瞳認識と顔認識、AFの的中率で少し遅れを取っているが、近い性能だ。電子シャッターの30コマ/秒の連写はこのクラスのライバルを凌ぐ性能だ。IBISは高性能でキヤノンだけがS5IIに近い性能だが、ニコンやソニーにはS5IIが勝っている。更に高性能なAFが欲しければ、より高価だがα7 IVとEOS R6 Mark IIがAF性能では明らかに上だ。

 

S5 II のAF性能は、Z6II以上でα7IIIやEOS R6に近い性能ということなので、初めての像面位相差AFを採用した機種としては上出来と言ってよさそうですね。α7 IVやEOS R6 Mark IIには及ばないようですが、まだ発売前の初期ファームなので、今後のアップグレードで更にAFが改善されるかもしれません。

電子シャッターは30コマ/秒の連写速度はすごいですが、スキャン速度は25ms(1/40秒)とそれほど速くないので、高速で動く被写体の連写にはあまり向いていないかもしれませんね。

また、IBISは抜群の性能のようで、最新のm4/3にはわずかに劣るもののほぼ同程度の性能になったようです。特にBoostモードの効果はすごそうですね。S5 II はこの性能で1999ドルの価格(日本では店頭予想価格24万8000円)なので、かなり競争力は高そうです。