ソニー「ZV-1F」は優れた画質だが手ブレ補正が弱く歩きながらの撮影には向いてない

DigitalCameraWorldに、ソニーの換算20mmの広角端焦点レンズを採用したVlog用のコンパクトカメラ「ZV-1F」のレビューが掲載されています。

Sony ZV-1F review

  • ZV-1Fは非常に小型軽量でジャケットのポケットにすっぽり収まり、存在を忘れてしまうほどだ。ボディは手に持つとしっかりしているが少々安っぽい感触で、衝撃や落下にはあまり強くなさそうだ。
  • セットアップと撮影開始は非常に簡単で、迅速に撮影をすることができる。タッチパネルは非常に反応が良い。モニタは見やすく画質も良好だが、価格以上の画質は期待はしない方がいい。
  • カメラの背面のボタンは非常に小さく、大きな手で押すのは少々難しい。また、グリップは片手で握れるほど大きくないので、背面のボタンやモニタを使う際には両手でカメラを持たなければならなかった。ソニーは、このカメラをジンバルやシューティンググリップと共に使うことを想定しているようだ。

  • ズーム機能はデジタルズームなのは残念だが、非常にシンプルで使いやすく便利な機能だ。ズームダイヤルは非常に敏感で、誤ってズームしてしまうことがよくあった。ズームダイヤルを簡単にロックする機能があれば助かる。
  • 動画機能はこの価格帯のカメラとしては非常に優れており、シャープで良好な露出の優れた品質の4K動画が得られる。私のPixel 7 Proの動画の比較すると、ZV--1Fはより洗練されよりプロフェッショナルな印象で、少し優位に立っている。
  • 瞳AFは、Vlog撮影時には見失うことなく瞳を追尾し続けてくれた。AFは概ね非常に速く、ほぼ全てのケースで非常に正確だったが、近距離から無限遠にフォーカスを移動するときだけ迷うことがあった。
  • 顔優先AEは非常に良好に機能し、この機能を使わずにこのカメラをVlogで使うことは考えられない。また、肌のスムージングはかなり積極的にかかる。
  • 屋外で撮影された動画は、くすんだ色で彩度が低く期待外れだった。屋外で撮影した動画をインスタグラムで公開するには後処理が必要だと感じた。
  • 手ブレ補正も大きなマイナスポイントで、デジタル手ブレ補正が搭載されているにもかかわらず、予想以上に画面が揺れる。手ブレ補正モードをアクティブにしていたが、歩きながらの撮影に適していると宣伝されているカメラにもかかわらず、歩きながら撮影した動画は、手ブレでほとんど使い物にならなかった。
  • スチルの画質はそこそこで、画面中心部はシャープでクリアだが、周辺部に行くと急激に画質が低下する。1インチセンサー採用機としては、スマートフォンと比較して画質にはがっかりした。また、ダイナミックレンジが狭くハイライトが飛んでしまうこともあった。色収差も輪郭に緑やマゼンタが強く現れるのが気になる。色収差は後処理で補正できるが、もう少し抑えられていればいいと思う。
  • このカメラは全体的にキビキビと動き、オフの状態から1秒以内に録画を開始することができる。メニューの表示や設定、録画したファイルの再生も同様に高速だ。

  • ZV-1Fをスマートフォンと比較しないのは難しく、このカメラを1周間使ってみて、同じようなことができるデバイス(スマートフォン)を既に持っていると思わずにはいられない。しかし、バリアングルモニタや4K動画の品質、使い勝手良さなど、ZV-1Fには多くの魅力がある。もし、熱心なアマチュアのブイロガーで、素早くセットアップして撮影できるカメラや友人と回し撮りができるようなカメラが欲しいなら、このカメラを勧める。
  • ZV-1Fは必要な機能だけを提供する飾り気のないVlogカメラで、小さなボディにSNSに対応した4K動画機能が全て収められており、他に負けない安価な価格で提供されている。
  • スマートフォンからVlog専用機にステップアップしたいが、あまり予算が無いという人にはZV-1Fがお勧めだ。スマートフォンよりも優れた画質、優れた露出で、自由度の高いバリアングルモニタが採用され、簡単に素晴らしいVlogを作成することができる。ただし、デジタル手ブレ補正の効果が弱く屋外の撮影は苦手で、汎用性には欠ける。
  • 良い点:軽量コンパクト、非常に簡単に使える、正確な瞳認識AF。
  • 悪い点:アクティブ手ブレ補正モードの効果が芳しくない、スチルの画質が平凡。

 

ZV-1Fは換算20mmの単焦点レンズを搭載した非常に面白いスペックのコンパクトカメラですが、Vlog用にしては手ブレ補正が弱い、スチルの画質があまり良くないなど、ウィークポイントもはっきりしているカメラですね。また、AFは位相差AFが採用されていないのが少々残念なところかもしれません。

とは言え、20mmが搭載されているコンパクトは他にないので、自撮りや室内での動画撮影が中心の人には非常に便利に使えそうなカメラですね。