シグマのフルサイズミラーレス用の「150-600mm F5-6.3 OS」「150-700mm F5-6.3 OS」の特許出願

シグマがフルサイズミラーレス用の手ブレ補正付きの「150-600mm F5-6.3」「150-700mm F5-6.3」の実施例を含む、小型軽量で色収差が少なくズーム全域な光学性能を備えた光学系の技術に関する特許を出願しています。

IP Force

  • 出願人:株式会社シグマ
    公開番号:P2023022519
    出願番号:P 2021127427
    公開日:2023-02-15
    発明の名称: 変倍結像光学系

  • 【課題】小型化と軽量化を実現しながら、変倍時の倍率色収差を抑え、合焦時の高速化と性能低下を抑えたフォーカシングを有し、ズーム全域にわたり良好な光学性能を備えた変倍結像光学系を提供する。
  • 特許文献1は結像性能は高いが、このように全長固定のタイプで結像性能を維持したまま変倍比を大きくしようとすると光学系が著しく肥大化してしまい好ましくない。
  • 特許文献2は光学全長に対するバックフォーカスが大きく、昨今のミラーレス化によるショートフランジバック化を鑑みると光学系の小型化という点では不十分である。
  • 特許文献3は広角端から望遠端における倍率色収差の変動が大きく、補正が不十分であり、広角端における光学全長の抑制も不十分である。
  • 特許文献4は望遠端で0.2倍を超える撮影倍率でも良好な性能を保っているが、変倍比は2倍程度と小さく光学系の小型化も不十分である。
  • 本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、小型化と軽量化を実現しながら、変倍時の倍率色収差を抑え、合焦時の高速化と近距離での性能低下を抑えたフォーカシングを有し、ズーム全域にわたり無限遠から至近まで良好な光学性能を備えた変倍結像光学系を提供することを目的とする。

  • 実施例1(150-600mm F5-6.3)
    ズーム比 3.78
    焦点距離 153.00 280.00 577.80
    Fナンバー 5.16 5.80 6.49
    全画角 15.77 8.63 4.18
    像高 21.63 21.63 21.63
    レンズ全長 280.00 331.38 376.64

sigma_patent_2023022519_001.jpg

  • 実施例7(150-700mm F5-6.3)
    ズーム比 4.4
    焦点距離 153.00 330.00 679.00
    Fナンバー 5.17 5.80 6.49
    全画角 15.78 7.34 3.56
    像高 21.63 21.63 21.63
    レンズ全長 310.82 380.37 424.11

sigma_patent_2023022519_007.jpg

150-700mm F5-6.3の実施例は、150-600mm F5-6.3を製品化する際に不採用になったものかもしれませんが、広角端の全長は150-700mmと150-600mmで3cmしか違わないので、150-700mmも実用的なサイズで製品化できそうですね。150-700mmは手持ちで振り回すには少々重いレンズになりそうですが、望遠端が700mmになればかなり訴求力はアップするような気がします。