SonyAlphaBlogに、シグマのEマウント / Lマウント用の新しい標準単焦点レンズ「50mm F1.4 DG DN Art」のレビューが掲載されています。
- このレンズの第一印象は、造りのクオリティが非常に優れていると感じた。エルゴノミクスはとても良好で、フォーカスリングは滑らかに動作する。また、フードの造りも良くしっかりとしている。
- AFは高速で、ポートレートでは的中率は70%だった。F1.4では瞳AFで後ピンが常に発生していたが、他のレンズではこの問題は発生しなかったので、これは初期ファームウェアの問題であることを願っている。
- 解像力テストは6100万画素機のα7R IVで行った。このレンズの解像力は開放からとても良好な値で、F2.8では際立った値に達する。解像力は中央から隅まで非常に均一だ。シグマの新レンズとしては、6100万画素機での開放時の解像力は若干期待外れだ。
- ポートレートは開放からとても良好な画質で、F2では明確な改善が見られる。肌色の再現は素晴らしい。
- 周辺光量落ちはF1.4では目立つが、F2.8前後で解消する。
- 歪曲は強い糸巻き型だ。
- F16に絞ると素敵な光芒が現れる。
- フレア耐性は良好ではあるが、非常に良好ではない。
- 玉ボケは年輪ボケは見られず非常に優れている。F4以上に絞ると絞りの形が見え始める。後ボケは非常に滑らかだ。
- 色再現性はとても優れており、自然でバランスの取れたコントラストだ。
- 動画では解像力やボケ、色再現はとても良好で、絞りリングのクリックを解除できるのは便利だ。AFは完璧に機能する。フォーカスブリージングは目立つ。
- ソニーFE50mm F1.2 GMやT*FE50mm F1.4 ZA、サムヤン50mm F1.4 AF II、シグマ50mm F1.4 DG HSM Art、ソニーT*FE55mm F1.8との比較では、シグマの新型のエルゴノミクスはツァイスやGMと互角でサムヤンよりは優れている。
- AFの比較では、シグマの新型は連写時は優れているが瞳AFにいくらか問題が見られる。サムヤンは連写時のAF性能ではシグマに劣るが、瞳AFでは優れている。ソニーの2機種のAFは完璧だ。
- 解像力の比較ではソニーFE50mm F1.2 GMとT*FE50mm F1.4 ZAが最もシャープだ。サムヤンは中央は優れているが隅が弱い。シグマの新型はF1.4ではサムヤンに劣るが、F2に絞るとサムヤンより優れている。
- 開放時のボケの比較では、ソニーの2本とシグマの新型、サムヤンがベストで、シグマの旧型やソニーFE55mm F1.8に勝っている。
- 玉ボケはサムヤンはF2.8に絞ると円形でなくなるがシグマの新型はF4までは素晴らしく、ソニーの50mm F1.2 GMは全体的にベストだ。
- 後ボケはサムヤンはF2.8までは素晴らしいが、F4からはシグマの新型やソニーの2本と比べてうるさくなる。
- ポートレートでは全体的にソニー50mm F1.2 GMがベストで、ソニー50mm F1.4 ZAとシグマの新型、サムヤンがこれを追っている。
- 周辺光量落ちはサムヤンが他よりも劣っているが、歪曲ではサムヤンがベストだ。シグマの新型は歪曲は最も大きい。
- 逆光耐性はサムヤンが最も劣っている。
- 動画ではフォーカスブリージングはサムヤンが少なく、シグマはフォーカスブリージングが目立つ。
- 比較の結論は、引き続きソニーのFE50mm F1.2 GMとT*FE50mm F1.4 ZAがベストだということだ。シグマの新型は6100万画素では開放時の解像力が「とても良好」にしかならず、ポートレートで後ピンの問題も見られる。また、シグマは非常に大きな色収差にも苦しんでいる。サムヤンは最軽量で最も安価で、中央の解像力と開放時のボケは優れているが隅の解像力と鏡筒の造り、絞ったときのボケで劣っている。
- 結論:シグマ50mm F1.4 DG DN はある程度の妥協が見られる。ポジティブな面としては、画面全域の優れた均一性や良好なボケと色再現、優れたエルゴノミクス、F2に絞ったときの解像力が挙げられる。ネガティブな面としては、6100万画素機での開放時の解像力と、大きな歪曲、色収差が目立つことが挙げられる。大きさ重さは平均的で、AF性能は良い部分(連写時)と悪い部分(瞳AFの後ピン)がある。
MTF曲線では周辺部まで落ち込みが少なく抜群の性能を見せるシグマ50mm FG DN Artですが、ここでは開放時の解像力が最新の製品としては少し低めで若干期待外れという評価になっています。とは言え、画面全体の均一性は非常に高く、少し絞ると画面全域で見事な解像力になるので、全く問題のない性能と言ってよさそうです。あと、動画メインで使う方には、フォーカスブリージングが目立つのが気になるところかもしれませんね。
シグマ使い
MTFは30lpm中心部で0.8くらいなので、
最近のレンズにしてはトップの解像力が出ないのはMTF通りかと思います。
アキオ
開放でのポートレートを考えて少し柔らか目に設計したのかな、ポートレートは開放からとても良好の様だし。
ウォルサム
SUMMILUXやS PROとの比較が欲しいですね。Lマウントレンズなのですから。
ウィルソン
SonyAlphaBlogにLマウントのレンズ扱えと言うのは無理筋では?
こーなん
カリカリにせずにボケ重視したんですかね?
ポトレ向けでそれはそれでいいと思うけど、瞳AFの精度悪いんじゃ意味がない…
ob
2世代前のシグマ50mm EXは、開放が優しめの解像になっていた点が
評価されていたところでもあるので、開放の解像力をどう評価するのか難しいですね
50mmでポートレートを撮影すると言えば撮影しますし
そういうのは中望遠に任せとけと言われれば、そんな気もしますし
やまさん
この頃安くなって半値のサムヤンが、健闘してますね。ソニーの新製品F1.4GMは、2倍位になるのでしょうか。逆光に気をつければ、サムヤンで我慢するか。
らぷたん
まだかまだかと言われながら開発が難航しているところに1.4GMが浮上してきて先に出さなきゃと出てきた難産レンズに見えるのは私だけでしょうか
めろす
開発者の方はもっと性能を上げられたけど、あえて上げなかったと山木社長が配信で言われてましたね。
数字よりも写りの空気感を重視したのではないでしょうか。
そろいすと
なかなか50mmが出てこなかったので、
つい先日、DG HSMを購入してしまったのですが、
使ってみると十分な描写力ですし、DG DNに買い替えはしないと思います。
ただ、新型の方が軽いのは魅力ですね。
へてろ
大きさ重さに縛られず画質を追求するのがArtなので、多少厳しめのレビューをされても仕方ないですね
α7RⅣ、Vの6100万画素での話なので、実写ではほぼ影響は無いと思いたいですね
BANブー
解像に関しては全体のバランスを優先する意図があったかもしれませんが、歪曲やブリージングの大きさを指摘されていることは動画を前提とした技術トレンドをキャッチアップできてないのでは?と少し心配になります。
このままではソニー、ニコンのレンズ開発を請け負って其々の品質基準を知悉しているはずのタムロンとの差が広がっていくような気がします。
シュワシュワ
KASYAPAの作例観る分には何も悪いことはなさそうですが、数値よりも雰囲気・色味を追ったものでしょうか?
瞳AFはちゃんと機能してもらわないと困りますが、これはファームアップで解消できそうです
待っていた方は多そうですが、純正と発売時期が被ったことといい、ちょっと逆風で始まっちゃいましたね
えりお
純正の1.4GMは35GMと同じサイズだと言う噂なので、これだとちょっと厳しそう。特別安いわけでもないのでどうせ買うなら純正
ななくさお
50mm1.4GMの値段次第ですね〜7-8万円くらい違ったら悩ましいですね!