パナソニック「LUMIX S5 II」の動画時のローリングシャッターとラチチュードは少し「S5」に劣っている

CineDに、パナソニックLUMIX S5 II の動画時のローリングシャッターの速度やダイナミックレンジ、ラチチュードのテスト記事が掲載されています。

Panasonic LUMIX S5 II Lab Test

  • S5 II のローリングシャッターのスキャン速度はフルサイズモードの4K25pでは22msで、旧型のS5が21msなので1ms大きくなっており、これは現行のフルサイズ機の中では遅いほうだ。コンシューマー向けのカメラでローリングシャッターが最も速いのはソニーα7S IIIで8.7msだ。
  • APS-Cモードの4K24pでは14.3msという意外な結果で、S5は12.5msだったので、1.8ms遅くなっている。このS5 II のローリングシャッターの速度はAPS-Cの4K60pでも変わらないので、S5IIでは旧型から画像処理パイプラインの何かが確実に変更されている。

  • V-log使用時のダイナミックレンジは、5.9KオープンゲートでベースISOの640で、ImatestのSNR=2で12.3stop、SNR=1で13.7stopで、旧型のS5よりも若干優れているが同程度だ。ISO4000ではSNR=2で11.9stop、SNR=1で13.3stopでわずかにノイズが増えるが、ISO640と非常に良く似た結果だ。これはデュアルネイティブISOセンサーの優れた点だ。まとめると、S5 II のダイナミックレンジはS1、S1H、S5と非常によく似た結果で、この価格帯でトップクラスのコンシューマー向けカメラと同等だ。
  • S5 II のラチチュードは暗部を持ち上げた画像を旧型のS5と比較すると、ノイズに染みのようなものがより多く見られあまり細かくはない。ノイズ処理は正直、旧型のS5の方が好みだった。また、シャドー部に他のLUMIX機では見られなかったバンディングが見られた。S5 II のラチチュード7stopで、バンディングが見られる分、旧型のS5よりも1stop狭い。

  • まとめ:ラボテストの結果は「代償なくして得るものはない」ということで、S5 II には高性能なAFが搭載されているが、残念ながらラボテストではS5に少し遅れを取っている。S5 II はローリングシャッターが少し遅くなっており(フルサイズで1ms、APS-Cで1.8ms)、ラチチュードの計測結果もそれほど良くはない。とは言え、ダイナミックレンジの計測結果はS5と同等だ。

 

S5 II はS5と同じ2400万画素のセンサーを採用していますが、動画のローリングシャッターのスキャン速度が少し遅くなっており、また、ラチチュードも1stop狭くなっているというテスト結果で、CineDはこれは像面位相差AFの採用による影響と見ているようです。

とは言え、旧型とのローリンシャッターのスキャン速度の違いはそれほど大きくはないので、実際の動画ではそれほど大きな影響はなさそうですね。