OM SYSTEM「ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」は他と一線を画したマクロレンズ

PCmagに、OM SYSTEMの新しい望遠マクロレンズ「ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」のレビューが掲載されています。

OM System M.Zuiko Digital ED 90mm F3.5 Macro IS PRO Review

  • サイズはm4/3用マクロの中では最も大きいが、大きすぎるというほどではない。
  • 鏡筒はアルマイト処理された金属製で、品質は良好だ。単なる防塵防滴ではなくIP53の保護等級を取得しているので屋外でも安心して使用できる。
  • フォーカスリングは金属製で、フォーカスクラッチでAFとMFの切り替えが可能だ。この機能はマニュアルフォーカスの感触を好む写真家には歓迎される機能だ。
  • AFはOM-1との組み合わせではキビキビとしており、ほとんどの状況で素早く合焦する。しかし、近接撮影の場合は、近距離から遠方までピントが移動するのに0.5秒ほどかかるので、フォーカスリミッターを使うと便利だ。AFの信頼性はマクロ撮影でも十分に高く、常にピントが合っていた。
  • 光学式手ブレ補正が搭載されているので、手持ちの接写でも安定したファインダー像が得られた。

  • 解像力テストはOM-1との組み合わせで行った。F3.5-F11では解像力は2800ラインで、像面がフラットなので中心から周辺まで解像力は一貫している。この解像力は、2000万画素機としては際立っている。F16-F22では回折の影響で甘くなるので、被写界深度を稼ぎたい場合は深度合成を活用した方がよい。
  • 玉ボケは開放では四隅は猫の目状になるが、絞ると円形に近い形状になる。ボケに軸上色収差は見られない。玉ボケの輪郭は柔らかく、背景がうるさくなりがちなニ線ボケは見られない。
  • 歪曲は完璧に抑えられている。
  • 周辺光量落ちは開放時に少し見られ遠景では目立つが、絞れば周辺部まで均一になる。

  • 最大撮影倍率2倍で撮影できるマクロは他にもあるが、AFレンズではこのレンズが初で、他のマクロとは一線を画す唯一無二のマクロレンズだ。このレンズはm4/3センサーの半分のサイズの被写体を画面いっぱいに撮影して、次の瞬間には遠景を撮影したり、ポートレートを撮影することが可能なレンズだ。また、防塵防滴、光学手ブレ補正、レスポンスに優れたAFの採用で、どのような撮影にも対応でき、手持ちで倍率2倍の画像が得られる。
  • 90mm F3.5 Macro IS PROは細部にまでこだわったマクロレンズだ。非常に高価なレンズだが、それにもかかわらずエディターズチョイスとして推薦する。世界の小さな部分の美しさを見つけるのが好きな写真家は、このレンズを選ぶ理由が分かるだろう。
  • 良い点:2倍の倍率の望遠マクロ、IP53の防塵防滴、フッ素コーティング、高速なインナーフォーカス、機械式のマニュアルフォーカスクラッチ、最大7段分の効果の手ブレ補正。
  • 悪い点:価格が高い。

 

このレンズはLensTipのレビューでは絞った時の回折の影響が指摘されていましたが、ここではF11までは十分な解像力を維持しているという結果で、また、それ以上に深度を稼ぎたいときは深度合成を利用すれば回折の問題は回避できるということなので、回折ボケはそれほど心配する必要はなさそうですね。

このレンズは高倍率の接写機能と強力な手ブレ補正、強力な防塵防滴が相まって実に魅力的なレンズになっているという印象です。価格は高いですが、接写が好きな人なら十分もとは取れそうですね。