パナソニックがあらゆる光源下で良好な色再現を実現する有機CMOSセンサーの技術を開発

パナソニックが光源の種類によらずに優れた色再現を実現する有機CMOSセンサーの技術を開発しています。

あらゆる種類の光源下でも良好な色再現を実現する有機CMOSイメージセンサ技術を開発

  • パナソニック ホールディングス株式会社は、有機膜の高い光吸収率による光電変換層の薄膜化と、電気的な画素分離技術により、混色を抑えた、良好な色再現技術を開発した。
  • 本技術では、光電変換を行う有機薄膜と電荷蓄積および読み出しを行う回路部を完全独立に設けた独自の積層構造により、緑、赤、青の各画素において、対象外の波長域では感度を抑え低混色な分光特性を達成できることから、光源の種類によらず正確な色再現が可能となる。
  • 本技術により、例えばマゼンタ光を使用する植物工場のように、イメージセンサにとって本来の色の再現が難しい環境下においても、正確な色の再現、検査が可能になる。また、生体のような微細な色変化をもつ物質の正確な色再現も期待できるため、肌状態の管理や健康状態のモニタ、青果の検査等への応用も期待できる。
  • さらに、当社の有機CMOSイメージセンサの高飽和特性やグローバルシャッタ機能と合わせて、光源の種類や照度、速度の変化に強い、ロバスト性の高い撮像システムの構築に貢献していく。
  • 今後、これらの有機CMOSイメージセンサ技術を、業務放送用カメラ、セキュリティ用カメラ、産業検査用カメラ、車載用カメラなど幅広い用途に提案し、光源種や照度、速度の変化に強い、ロバスト性の高い撮像システムの構築に貢献していく。

panasonic_OrganicCMOS_20230317_001.jpg

 

最近あまり進捗状況が聞こえてこなかったパナソニクの有機CMOSセンサーですが、技術開発は着々と進んでいるようですね。今回開発された技術では、あらゆる光源下で良好な色再現が実現可能ということなので、デジカメのセンサーに採用されれば人工光源下の色再現が飛躍的に改善しそうです。

この有機CMOSセンサーの技術は業務用を想定しているようですが、放送用カメラも想定される用途に含まれているので、低価格化さえされれば一般向けのデジタルカメラやビデオカメラにも採用される可能性がありそうですね。