PCmagに、昨年11月にモデルチェンジされたリコーのマクロレンズ「HD PENTAX-D FA MACRO 100mmF2.8ED AW」のレビューが掲載されています。(※初出の記事の内容に誤りがあったので記事を差し替えました)
・Pentax HD D FA Macro 100mm F2.8 ED AW Review
- HD FA MACRO 100mmF2.8は、比較的コンパクトなレンズだ。内側の鏡筒はポリカーボネート製で、6箇所のシーリングが施されている。
- 操作部はフォーカスリングのみで、フォーカスリミッターは搭載されていない。アップデートで最近の機種にはカメラ内フォーカスリミッター機能が追加されているが、K-1 II では設定箇所がメニューの奥にあり、開くのが少々面倒だ。しかし、マクロ域ではAFが迷うことが多いのでフォーカスリミッターを設定する価値はある。
- AFはスクリュードライブ(ボディ内モーター)による駆動で、マイナス面は作動音は大きいことだ。フォーカスリングは機械式で回転角は270度あり、正確なフォーカシングが可能だ。
- ラボテスト:K-1 II との組み合わせでは、開放で解像力は3300本で旧型同様のシャープでクリアな結果が得られ、F11までの絞り値でも同様に優れた解像力だ。F16-32では回折のために画質が大きく低下する。
- 像面は比較的フラットで、歪曲はまったく目に付かない。F2.8ではわずかに周辺光量落ちが見られるが、F4では均一になる。
- 以前のバージョンでは多くの色ズレが見られたが、新型がEDレンズを採用し、明るい空を背景にした電線や木の枝でさえ色ズレは目に付かなかった。
- 同様に、ボケの色付き(軸上色収差)も見られず、ボケも改良された光学系の恩恵を受けている。玉ボケは輪郭がソフトで、後ボケは見栄えが良い。
- このレンズは旧型からアップデートされ色収差の問題が回避されたのは歓迎されることだが、スクリュードライブのAFに固執したのは残念だ。他社のインナーフォーカスを採用したマクロレンズは、より静かで速いAFを実現しており、(レンズ内の)手ブレ補正のおかげで手持ち撮影がより実用的だ。
- HD D DA MACRO 100mmF2.8 ED AWは完全に新しいレンズではないが、旧型の問題を解決し、旧型と同じ549.95ドルというリーズナブルな価格だ。
- 良い点:シャープでディテールに富んだマクロ写真が撮れる、色収差を効果的に補正、防塵防滴・フッ素コーティング、1:1の倍率、クイックシフトフォーカス、ブラックとシルバーのカラー。
- 悪い点:時代遅れのボディモーターによるAF、フォーカスリミッターがメニューの深い階層にある、作動音の大きいスクリードライブ式AF。
新しくなったD FA MACRO 100mmF2.8は、解像力に関しては旧型同様に非常にシャープで、かつ懸案事項だった色収差(フリンジ)の問題もEDレンズの採用によって解決しており、よりクリアな画質になっているようです。
問題点として指摘されているのは、ボディ内モーターによるAFが遅く、作動音が大きいことですが、これはインナーフォーカスやレンズ内モーターを採用しないと解決できないので、鏡筒から全て新設計のフルモデルチェンジでないと難しそうですね。
[追記] 初出の記事で誤って旧型のレビュー記事を掲載しておりましたので、正しい記事に差し替えました。初出の記事では「色収差が問題」と記載していましたが、新型の100mmF2.8では色収差の問題は解決しているということです。
つ
先日、このレンズを手に入れました。
使い始めたばかりで様子見ではあるんですが、コンパクトで軽い(お財布にも軽い)ので、今のところ気に入っています。
まさ
ソフトウエアのアップデートでソフト的にフォーカスリミッターを使えたよーな。
このレンズを持ってないのでどんな感じかわかりませんが
現代的ではないのは認めるとして
マクロレンズである以上そんなに困らないよーな気もします
その分お財布に優しいなら歓迎です。
KT
smcからHD化した一番の売りが新コーティングによるフリンジ対策だったので、これが本当ならあまり魅力的とは言えない新製品になってしまいますね。
旧smc版を所有していますがsmcでも解像力の面では全く不満のないレンズです。ユーザー側もAFがレガシーなのは承知の上で使っていますが、新設計で値上げするならフリンジ対策はしっかり行っていただきたかったです。
しらいし
私もつい先日買って試したところ、旧版よりフリンジは抑えられてますが、完全には無くなっていない感じです。
フォーカスリミッターは対応ボディ側で遠近の切り替えができる様です。
ぴちょまる
原文
We noticed quite a lot of false color with the previous edition of the lens.
どちらかというと、
パープルフリンジ、グリーンフリンジが顕著だったのは前モデルで、新レンズでは見られなくなった、という主旨の記載ではないでしょうか。
最後の✘の項目にも、フォーカス関連がほとんどです。
管理人
>ぴちょまるさん
ご指摘ありがとうございます。途中からなぜか誤って旧型の記事をまとめていましたので、正しい新型の記事に差し替えました。誤った記事を掲載して申し訳ありません。
m2c
これは良いレンズ。
動作音は確かに大きいですが、撮影がスタジオでない限りは、撮影場所での生活音の方が大きいので、全く問題ない気がします。
ただ、他社のインナーフォーカスは羨ましいかも。
ロプロス
この価格、この質量&サイズで販売できるのは、競合他社のレンズと比べると
それはそれで凄いことではないか?と思う。見比べると驚くほどの違いがある。
マクロ撮影ではMFを使うことも多いから、自分の場合はAFよりも
MF時の感触を重視したい。
尤も、コスパというなら従来smc版が圧倒的過ぎ。
kmz
昨今の他社の同等品より小さくてお手頃価格なのは、さほどマクロの出番が多くない自分には凄く魅力的です。
老新星
経営状態や販売数から無理なのかもしれませんが、新規にボディも出たしレンズも好評ですから 久々にマクロリングライトが出ないか、期待します。無理かなあ。
しらいし
あら間違っていたとは…。
前に「フリンジは抑えられてますが、完全には無くなっていない」と書きましたが、かなり抑えられていますから、なんか変な書かれ方だなとは思ってました。
ボディ側のフォーカスリミッターはメニューから呼びだす他はコントロールパネルに登録して使うしかない様です。
遠近切り換えは90cmあたりを境界にしているようです。
最近のフルサイズ対応の100mm付近のマクロレンズは大きく重いので、コンパクトさを維持したままの改良は、本当に本当に有り難いです。
km
このレンズを買おうかどうか考えているうちにOM90mmマクロが発売されて、あまり迷わずOM90mmマクロを直売で買いました。決定打は散見されるレビューでの「さほど進化無し」という点です。
オリンパスもペンタックスも大好きです。2者とも商業的にはいわゆる「負け組」ですが健気に頑張っているところが好きで応援したくて多少高くても直売で購入しています。ただ、それでもやはり新レンズを出すなら「ワオっ」というのが欲しいところですね。
K-1にこのリニューアル100mmマクロを付けることを想像したときに、OMにオリンパスのフォーサーズ50mmF2マクロを付けるのと大差なさそう・・というのがありました。ならどうせかうならぶっ飛んでるOM90mm買おうか、という流れです。
ペンタックスも高くてもいいから凄いマクロを出して欲しかった。