キヤノンのAPS-C用の「15-70mm F2.8-4 IS」「15-70mm F4 IS」「15-85mm F2.8-5.6 IS」「16-85mm F2.8-5.6 IS」の特許出願

キヤノンが「15-70mm F2.8-4 IS」「15-70mm F4 IS」「15-85mm F2.8-5.6 IS」「16-85mm F2.8-5.6 IS」の実施例を含む、製造誤差に強く高い光学性能が得られる広画角で小型のズームレンズの技術に関する特許を出願しています。

IP Force

  • 出願人:キヤノン株式会社
    公開番号:P2023057875
    出願番号:P 2021167603
    公開日:2023-04-24
    発明の名称: ズームレンズ及びそれを有する撮像装置

  • 【課題】製造誤差に対してロバストでありながら、高い光学性能が得られる広画角で小型なズームレンズを提供する。
  • 近年、撮像装置に用いるレンズ系には、レンズ系全体が小型でありながら高い光学性能を有することが強く要望されている。特に、撮像素子が大きいカメラにおいてレンズ系の小型化を図る場合、高屈折率硝材を多用することが多く、レンズの偏心に対するロバスト性を確保しつつ、色収差を抑制することが求められる。
  • 本発明によれば、製造誤差に対してロバストでありながら、高い光学性能が得られる広画角で小型なズームレンズが実現できる。
  • 各実施例のズームレンズにおいて、いずれかのレンズ群全体又はその一部を、防振群として光軸に対して垂直な方向の成分を含むように移動させ、又は光軸を含む面内方向へ回転移動(揺動)させることにより、防振を行う構成とすることもできる。

  • 実施例1(15-70mm F4)
    ズーム比 4.40
    焦点距離 15.45 36.03 67.94
    Fナンバー 4.12 4.12 4.12
    半画角(°) 41.27 19.59 10.60
    像高 12.66 13.66 13.66
    レンズ全長 100.14 108.00 120.23
    バックフォーカス 10.46 10.79 12.37

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  • 実施例2(15-70mm F2.8-4)
    ズーム比 4.40
    焦点距離 15.45 36.49 68.04
    Fナンバー 2.88 3.86 4.12
    半画角(°) 41.38 19.53 10.61
    像高 12.66 13.66 13.66
    レンズ全長 100.32 110.44 118.71
    バックフォーカス 10.62 11.68 15.59

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  • 実施例4(15-85mm F2.8-5.6)
    ズーム比 5.42
    焦点距離 15.45 36.29 83.77
    Fナンバー 2.88 4.00 5.80
    半画角(°) 41.36 19.65 8.71
    像高 12.66 13.66 13.66
    レンズ全長 101.54 116.35 133.85
    バックフォーカス 12.12 12.61 16.91

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  • 実施例5(16-85mm F2.8-5.6) ズーム比 5.09
    焦点距離 16.45 36.35 83.81
    Fナンバー 2.88 4.00 5.80
    半画角(°) 39.72 20.12 8.62
    像高 12.66 13.66 13.66
    レンズ全長 104.42 114.62 126.76
    バックフォーカス 11.42 21.32 15.06

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RF-Sの標準ズームは、現在、RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STMしかなく、もう少し本格的な標準ズームを希望する声もあるようですが、今回の特許のレンズが製品化されれば、そのような声に応えられそうですね。実施例のレンズは、広角端の像高がいずれもAPS-Cには少し足りないので、歪曲の自動補正が前提のレンズのようです。