ニコンとREDの訴訟が終結、ニコンはカメラ内圧縮RAW記録を採用し続けることが可能に

PetaPixelに、ニコンとREDとの訴訟が終結したという記事が掲載されています。

RED's Lawsuit Against Nikon Dismissed: Z9 Gets to Keep Compressed RAW

  • REDのニコンに対する「動画圧縮に関する特許侵害」についての訴訟は取り下げられ、事実上、ニコンはカメラ内の圧縮RAW記録を搭載し続けることが許可された。

    昨年5月にREDはZ9用のファームウェアップデート2.0で、ニコンがデータ圧縮技術を違法に使用したとして、ニコンを訴えた。REDはこの訴訟では、ニコンが視覚的にロス無く動画を高度に圧縮する7つの特許を侵害したと主張していた。

    9月にニコンは反撃に転じ、REDの特許の信憑性に異議を唱え、そもそもREDは特許を取得すべきではなかったと主張した。ニコンはREDが過去に同様の理由で他社を訴えた複数の訴訟で、REDが主張したクレームは特許の条件を満たしていないため無効であると付け加えている。

    本日、REDとニコンの両社はルール41の取り下げに同意し、事実上この訴訟は終結した。

    ルール41は多くのことを意味する可能性があり、かなり曖昧なものだ。重要なことはルール41は両社が共同で何らかについて合意したことを意味することだ。一般の人々は両社の合意内容について知ることはできないだろう。

    一旦和解に達すると、ほとんどすべてのケースで二度と訴訟を起こすことができないという一文が含まれる。

    ニコンがREDの特許料を支払うことに合意した可能性があるとYMCinemaは推測しているが、ニコンがそれを避けるためにREDに反論していたことを考えると、その可能性は低いと思われる。

    別の可能性としては、REDが特許の弱体化を回避するために、ニコンがこれ以上訴訟を進めることを望まなかったということもある。裁判所がREDの特許を無効だと判断すると、それは別の訴訟に連鎖的な影響を及ぼす。

    理由がどうであれ、ニコンは少なくとも今のところ、カメラ内で圧縮したRAW動画を提供し続ける自由があるようだ。これはニコンとニコンのカメラで動画を制作する人の双方にとって利益になることだ。

 

どのような条件で訴訟が終わったのか明らかにされていませんが、記事には「事実上、ニコンはカメラ内の圧縮RAW記録を搭載し続けることが許可された」「特許料を支払うことに合意した可能性は低い」と記載されているので、ニコンに有利な形で何らかの合意に達したのでしょうか。

いずれにしても、ニコンは今後は圧縮RAWの権利の問題に悩まされることはなさそうですね。この訴訟の結果が、REDと争っている他の会社に影響があるのかどうかが気になるところです。