ソニー「ZV-E1」の発売直後の売れ行きは鈍い

BCN+Rに、ソニー、キヤノン、ニコンの3社の最近登場した新製品と動画へのアプローチに関する記事が掲載されています。

動画戦争初夏の陣、次を模索するカメラメーカーそれぞれの苦悩

  • 「VLOGCAM ZV-E1」で動画戦争初夏の陣の先鞭をつけたのはソニーだ。動画で日常を記録し発信するというVlogの特性を考えれば、ユーザーが機材に多額の投資を行うかは疑問だ。実際、ZV-E1の発売直後の売れ行きは鈍い。5月1日週で、ソニーのレンズ交換型カメラに限った販売台数ランキングは以下の通り。

    1位がα6400で31.2%、2位がVLOGCAM ZV-E10で28.1%、3位がα7 IVで22.3%、4位がα7Cで5.6%、5位がVLOGCAM ZV-E1で3.7%だった。興味深いのは30万円を超えるα7 IVの方がはるかに売れていることだ。

    発売直後で製品供給が十分でない可能性もあり、まだ判断するには早すぎる。しかし、初速を見る限りでは、ZV-1、ZV-E10に続く3匹目のドジョウは、見つからないかもしれない。

  • ニコンが動画に本腰を入れ始めたのはこのZマウントからだ。中でも20年発売のZ9はプロユースにも耐える動画性能を実現したといわれている。その流れをくむのがZ8。ソニーやキヤノンと異なり、ニコンにはプロ向けビデオカメラのラインアップがない。そのため、フラグシップモデルは写真も動画も両方でプロ仕様の頂点を目指すモデルになってしまった。価格高騰の原因だ。

    低価格一眼レフのラインアップを大幅に整理したニコン。一気に高価格モデルにシフトしたことで、売り上げは上向いている。しかし、高騰する価格にユーザーがどこまでついていけるのか、不安はぬぐえない。

  • キヤノンは新コンセプトのVlogカメラ「Power Shot V10」を発表。浄見理事は「世界のVloggerが、この1年で4倍に増えているという調査データもある」「控えめに言っても月産9000台程度は見込んでいる」と話す。しかしVlogブームは果たして本物なのか、カメラ市場を押しあげる原動力になるのか、スマホだけのブームではないのか、見極めは難しい。

 

カメラメーカー3社の新製品は価格帯も商品コンセプトもまちまちですが、動画に注力しているという点では3社とも一致していますね。

ソニーのZV-E1は既に発売されていますが、BCNによると売れ行きは今一つのようで、α7 IVには約6倍大差をつけられており、α7Cと較べても2/3程度の台数となっているようです。気軽に使いたいVlog機としてはZV-E1は少し高すぎたのでしょうか。

ニコンのZ9とZ8は、ここでは価格が高いことが強調されていますが、Z9もZ8も積層センサーを搭載したプロ仕様の高性能機なので、このクラスのカメラが高いのは当然と言えば当然のような気もします。気軽に使えるVlog機はZ30がカバーする領域ですね。

キヤノンのPowerShot V10は月産9000台を見込んでいるということで、大ヒットは予想していないようですが、それなりに売れると見てるようですね。V10が人気のソニーのZV-1シリーズを相手にどこまで健闘するか注目していきたいところです。