富士フイルム「X-S20」は動画用としては最高のミドルクラスカメラ

CineDに、富士フイルム「X-S20」の動画を中心としたレビューが掲載されています。

FUJIFILM X-S20 Review - EXCELLENT Mid-Range Camera

  • 私の意見としては、X-S20は最高のミドルクラスのカメラだ。このカメラはスチルカメラ、ウェブカメラ、通常のビデオカメラ、Vlogカメラ、クリエイティブカメラの5つのカメラを1つのボディに搭載しているようなものだ。もしあなたが映像制作者で、通常の撮影やVlog以上のものを求めているなら、このカメラはこの価格帯では他にはない独自のものがあると思う。
  • X-S20で最も魅力的な機能を挙げるとしたら、それは6.2Kの解像度と3:2オープゲート記録(全幅)が可能なことだ。私の知る限り、これまでのこの価格帯のAPS-Cカメラでこの設定は不可能だった。
  • アナモフィックレンズを使用し、映像をデスクイーズする際に、上下に黒いバーを追加して映画的なルックを模倣するのではなく、センサー全幅を使用することができることは非常に目を引く機能だ。

  • X-S20はHDMI経由でRAW動画を6.2K 3:2オープンゲートで30p、5.2K 16:9で60pでレコーダーに出力することができるが、内部と外部の同時記録はできない。
  • 通常の動画モードでは4KDCIで最高60fpsで、ミドルレンジカメラで4K60p、ALL-I、10bit、4:2:2があることは歓迎されることだ。素晴らしい高感度性能との組み合わせで、オールラウンドな仕事道具となっている。
  • オーバーヒートに関しては、最初にX-S20の小さなボディを見たときに、6.2Kでの記録時間が非常に短いのではないかと心配したが、驚いたことに室温でバッテリーが切れるまでの1時間55分撮影することができた。カメラは熱くなりオーバーヒートの兆候はあったが、それでもカメラは作動し続けた。オーバーヒートが心配な場合はカメラの背面にクーリングファンを付けることができる。
  • Vlogモードにはいくつかの利点があり、1つ目は解像度やフレームレート、フィルムシミュレーションなどの設定を簡単に変更できることで、2つ目はこのモードのAFの信頼性が高いことだ。テストで画面内に別の人の顔を入れてAFを混乱させようとしたが、AFは私の顔にロックされたままだった。

  • 三脚グリップTG-BT1とXC 15-45mm F3.5-5.6 OIS PZとの組み合わせは気に入っている。この組み合わせは完全なVlog撮影キットになる。
  • もう1つのエキサイティングな機能は、被写体の自動検出機能で、他の富士フイルムのより高価なカメラにもこの機能は搭載されていない。不思議なことに、この便利な機能はオートモードのときのみ有効で、「Vlog」モードや動画モードでも機能させられるはずなのに、残念ながら使用できない。
  • ローリングシャッターのスキャン速度は6K25pで24.1ms、4K60pで16.1ms、4K25pで20.3msで平均的だ。ダイナミックレンジは動画モードに依存するが4K25pでは13stopだ。

  • X-S20は誰のためのカメラなのか? 特にアナモフィックレンズを使う人には完璧な相棒になるかもしれない。他のクリエイターにとっても小型軽量で使いやすく素晴らしい動画品質で、魅力的かもしれない。
  • このカメラで不十分なのはEVFだ。EVFの画質はそこそこで、マニュアルでフォーカスを合わせるのはそれほど簡単ではない。IBISはまずまずだが、手ブレ補正に関しては他のカメラブランドの方が頑張っていると思う。ポテンシャルはあるので手ブレ補正はもっと強化して欲しい。
  • X-S20によってミドルレンジカメラの水準は確実にアップグレードされた。この価格帯でAPS-CでF-Log2、ALL-Intra、内部収録4:2:2 10bitで最大6.2K 3:2オープンゲートで録画できる機能を持ったカメラは他には無い。結論としてX-S20は少なくとも動画においてはより進化したカメラで、旧型からの値上げを正当化できると考えている。

 

動画畑のCineDのレビュアーは、X-S20はクラスを超えた動画機能を搭載しており、機能を考えると価格も正当なもので、最高のミドルクラスカメラという極めて高い評価をしています。

X-S20で評価されているのはアナモフィックレンズ対応や6.2K 3:2オープンゲート、4K60p 10bit 4:2:2などの機能で、本格的な映像作品を撮る人にはなかなかコストパフォーマンスの良さそうなカメラですが、スチル中心でX-S20を待っていた人にとっては、少し動画機能盛りすぎの感もあるかもしれませんね。