ニコン「Z 8」は「Z 9」のほぼすべての機能を引き継いだ完成度の高いカメラ

価格.comマガジンに、写真家の上田晃司氏のニコンZ8のレビューが掲載されています。

ニコン「Z 8」発表! 写真家の上田晃司さんが香港で速攻レビュー

  • 通常、上位機種のDNAを受け継ぐ場合でも、フラッグシップならではの機能は制限されることが多いが、「Z 8」は「Z 9」の機能をほぼそのまま受け継いでいる。「Z 8」はバッテリー「EN-EL15c」を採用していることを考慮してほしい。容量が少ないバッテリーにも関わらず、「Z 9」とほぼ同じ機能が使えるのだ。この点に、ニコンの技術力の高さがうかがえる。
  • 「Z 8」と「Z 9」のスペックを詳しくチェックして見てみると、静止画も動画もほぼ変わりないことがわかる。「Z 9」と差があるのは動画の連続撮影時間が少し短いくらいだ。とはいえ、「Z 8」でも、4K UHD/60pで最長125分 、8K UHD/30pで最長90分の記録に対応しているので十分と言えるだろう。
  • 「Z 8」の実機を触って感じたのは、思った以上に軽いということ。「Z 9」と比べると「Z 8」は本当に軽く感じる。「Z 8」は「Z 9」より430gほど軽く、体積比では30%もダウンしている。性能の高さを考慮するとこのサイズ感は驚異的だ。
  • 一体型のグリップがなくなるだけで、3cmほど高さ低くなるだけで、持って行くカメラバックがワンサイズ小さくなる。三脚もより軽いもので十分だ。「Z 8」と「Z 9」の両方を持ち運んだ経験から言うと、「Z 8」では、カメラバッグを含めたトータルで計算して1kg以上軽くなる。
  • HDMI端子はタイプAに対応しているので安心感がある。さらに、USB端子は2個搭載されており、充電・給電と通信を別々に行うことが可能。給電しながらリモートグリップ「MC-N10」などさまざまなアクセサリーを使えるのが魅力だ。
  • グリップもかなりしっかりしており、ホールド感にすぐれている。大きめの望遠レンズなどを使ってもバランスよく撮影できた。
  • 「Z 8」の画質は、「Z 9」と同じく有効画素数が4571万画素と高いこともあり、「NIKKOR Z レンズ」の魅力を最大限に引き出すことができると感じた。高感度性能に関しても「Z 9」と同じような感じで、ノイズを消しすぎないバランスが心地よい。
  • 動画は、バッテリーのサイズや熱によって、「Z 9」と比べると連続撮影時間が短いものの、1~2分くらいの短い素材を多数撮影したり、10~15分くらいのインタビューを撮影したりした分には8Kで撮影してもまったく問題なかった。また、RAW以外のフォーマットであれば、動画でも「美肌効果」が使えるのもとても便利だと感じた。動画撮影時のAFも「Z 9」と同等で、ストレスなく撮影できた。動画撮影のバッテリー持ちも思いのほか長く、丸1日撮影してもバッテリー3〜4本の使用で済んだ。
  • 今回、「Z 8」を使用してみて、非常によくできた完成度の高いカメラだと感じた。「Z 9」のほぼすべての機能を引き継ぎながら、このサイズ感に仕上げたのは驚かされる。海外の取材ではよりコンパクトなシステムが求められることが多く、「Z 8」はそうした場面で活躍するカメラだと思う。

 

Z8は小さなバッテリーを採用しているにもかかわらず、動画モードや連写性能、EVF表示などが制限されることなく、バッテリーライフと動画の撮影時間以外の面でZ9にほとんどの劣らない性能を実現しているのは、確かにすごいことですね。

Z8は中身がほぼZ9なので面白みがないという声もありますが、プロ用機レベルの高い性能かつ取り回しの良いカメラが欲しい人にはちょうどいいカメラかもしれませんね。