シグマのAPS-C用の「50-140mm F2.8」とフルサイズ用の「70-200mm F2.8」の特許出願

シグマがAPS-Cミラーレス用の「50-140mm F2.8」やフルサイズミラーレス用の「70-200mm F2.8」の実施例を含む、ズーム全域で明るく小型の光学系を作るための技術に関する特許を出願しています。

IP Force

  • 出願人:株式会社シグマ
    公開番号:P2023090116
    出願番号:P 2021204904
    公開日:2023-06-29
    発明の名称: 結像光学系

  • 【課題】ズーム全域で開放F値が小さく小型な結像光学系を提供する。
  • ミラーレスカメラはミラーを廃したことにより筐体が小型化されているため、それに伴い結像光学系の小型化が求められている。また、ズーム全域で開放F値の小さい大口径ズームレンズが求められている。
  • 特許文献1では、開放F値が2.8程度と明るく、変倍に際し最も物体側のレンズ群が像面に対して固定されたポジティブリード型のズームレンズが開示されている。光学全長が変化しないことにより利便性や堅牢性が高いが、結像光学系のサイズが大きいという問題がある。
  • 特許文献2では、開放F値が2.8程度と明るく、広角端における光学全長が短縮されたポジティブリード型のズームレンズが開示されている。しかし、開口絞りよりも像側に、変倍に際し移動する径が大きいレンズ群が多く配置されているため、変倍に要する機構が大型化し、鏡筒の径方向のサイズが大きいという問題がある。
  • 本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ズーム全域で開放F値が小さく小型な結像光学系を提供することを目的とする。

  • 実施例1(50-140mm F2.8 APS-C用)
    ズーム比 2.70
    広角 中間 望遠
    焦点距離 50.50 85.38 136.50
    Fナンバー 2.92 2.92 2.92
    全画角 30.62 18.00 11.40
    像高 14.20 14.20 14.20
    レンズ全長 125.00 137.38 145.00

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  • 実施例2(70-200mm F2.8 フルサイズ用)
    ズーム比 2.70
    広角 中間 望遠
    焦点距離 72.00 122.00 194.10
    Fナンバー 2.92 2.92 2.92
    全画角 32.92 19.26 12.12
    像高 21.63 21.63 21.63
    レンズ全長 168.00 190.61 203.60

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実施例のレンズはいずれもズーミングで繰り出すタイプのズームで、実施例1の70-200mm F2.8はLマウントのフランジバック分を除くと全長は約148mmと非常にコンパクトです。シグマは、キヤノンのRF70-200mm F2.8 Lのようなコンパクトな望遠ズームを考えているのかもしれませんね。

また、50-140mm F2.8は製品化されれば、DC DN(APS-Cミラーレス用)では初の望遠ズームになりますね。50mmスタートなので、18-50mm F2.8 DC DNと組み合わせるのにピッタリのレンズになりそうです。