OpticalLimitsに、ソニーの標準ズーム「FE 20-70mm F4 G」のレビューが掲載されています。
・Sony FE 20-70mm f/4 G - Review / Test Report
- 鏡筒はプラスチック製だが、重厚感のある高品質な造りだ。鏡筒はズームで繰り出してもぐらつきは見られない。ズームリングやフォーカスリングの動きは滑らかだ。
- AFは非常に速く静かだ。最大撮影倍率は1:2.5と、このクラスの平均よりも遥かに優れている。
- このレンズには手ブレ補正は搭載されていないが、我々の経験ではこれは長期の耐久性(偏芯の増加)を考えると良いことだ。
- このレンズがGMにならなかった理由の1つが歪曲だろう。20mmでは歪曲はRAWで9%のタル型で極端に大きく、歪曲補正は解像力の損失が大きいことを忘れないで欲しい。歪曲は28mmでは3%強まで減少し、ズーム中間域ではなくなり、70mmでは中程度の糸巻き型になる。自動補正を有効にすると歪曲はほとんど心配はなくなる。
- 未補正の周辺光量落ちは20mm開放で1.8stopと最も大きくなるが、それほど大きい値ではなく、極端な歪曲の大きさを考えると、予想よりも少し良好だ。他の焦点距離では周辺光量落ちは大幅に軽減されるが、これはあまりにも上手い話なので、内部で何らかの処理が行われている可能性がある。自動補正を有効にすると周辺光量落ちは、F値や焦点距離にかかわらずかなり低い値になる。
- このレンズは歪曲補正無しでは実写で使えないため、解像力テストは歪曲補正を有効にして行った。全体的に解像力はとても印象的だ。中央はズーム全域で優れた性能で、ワイド側になるに従って解像力が上がる。隅は歪曲補正によって20mmの解像力は良い(good)まで低下するが、これは20mmのレンズとしてはかなりまともな値で、ズームとしては十分な性能だ。28~70mmでは隅の画質は若干向上する。
- 倍率色収差は20mmで最も顕著で1.2ピクセルになるが、非常によく補正されている。望遠側では倍率色収差は少し減少する。
- ボケは標準ズームで優れていることはほとんどないが、このレンズも同様の傾向だ。玉ボケはそれほど悪くはなく、内部滑らかだ。しかし、輪郭が見られ絞り込むと輪郭が強くなる。このレンズで驚きなのは、隅の玉ボケの口径食がほとんど見られないことだ。後ボケは悪く、それ以外の言葉はない。後ボケと比較すると前ボケは比較的滑らかだ。実写でも背景のボケはとても理想的とは言えない。
- 光芒はF4とF5.6ではわずかで、F8でより強くなり、F11とF16では綺麗に尖った形状になる。
- 逆光耐性は標準ズームとしては明らかに平均以上だ。
- FE 20-70mm F4 Gは最近登場したレンズの中で最もエキサイティングなレンズだが、完璧なレンズではない。自動補正に依存していること自体は問題ないが、20mmの歪曲は大きすぎて(補正が)解像力に影響している。しかし、それでも驚くほど高い画質を維持している。大きな問題はボケ味で、この点では他のレンズに劣っている。
- 全体的にこのレンズはボケを活かした写真を撮影しない限り勝者であり、特にアウトドア派の人は、画質とコンパクトなサイズ、軽量という組み合わせを気に入るだろう。そしてもちろん20mmという際立った特徴もだ。
FE 20-70mm F4 Gは強い歪曲を電子補正していますが、ズーム全域で大きな落ち込みのないしっかりとした解像力で、この性能なら安心して使えますね。ボケに関してはサンプル画像を見る限りでは、確かに綺麗とは言い難いですが、これだけ尖ったスペックのレンズなので、高い解像力に加えてボケ味まで良くするのは難しかったのかもしれませんね。
カタスマー
f4でそこまでボケないことを加味すると悪目立ちするシーンが多そうなボケではありますね
玉ボケじゃない普通の背景ボケも気になりそうなのはちょっと残念ですね
とはいえ画角や取り回しは抜群なので製品コンセプトの戦略的に捨てた感じですかね
9210
価格帯がちょっと違うのですが、パナの20-60と比較して欲しいですね。私はかなり迷った末、パナにしました。
そろいすと
10年くらい前のレンズは、電子補正なんていう前提がなかったので、
物理的に補正を考えて作っていたもんですけどね。
そういう意味では、昔のレンズは価値があるような気がします。
今は何でも電子補正で、それはそれでいいのかもしれませんが、
古い人間には何か引っかかるものがあります。
ヨッシー
ちょっと癖のあるボケ味が気になりますね。
ただ、解像を犠牲にしてボケが改善したとしても、それで良いか?
と言えば微妙なところでしょう。
ボケ重視なら他のレンズを使えばよいわけで、
レンズの長所を生かして使うことなのでしょうね。
スナップ派
サンプル画像と同じく自分もα7R5でこのレンズを使っています。自分もレンズのボケにはうるさい方なので、このレポートには少々驚きました。
確かにサンプル画像の2枚の写真は褒められたボケではないですが、ボケが一番汚く写りやすい作例だと思います。自分の撮影では今のところ欠点と言うほどのレベルの写真は一枚もありません。お気に入りのレンズです。
と言うか、こんな写りもするのかと参考になりました。欠点(自分は思ってないですが)をカバーすること、このレンズの場合は背景の選択、それが使いこなしだと感じました。
アルファ
ボケ味or小型軽量。
全てを兼ね備えたレンズやボディは存在しないので自分が何を優先するかですね。
X-T44
電子補正無しでは成立し得ないスペックですから仕方ないですね。