キヤノン「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」は実に見事な性能

ePHOTOzineに、キヤノンの軽量コンパクトな標準ズーム「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」のレビューが掲載されています。

Canon RF 24-50mm f/4.5-6.3 IS STM Lens Review

  • 最初の印象はとてもプラスチッキーに見えるレンズで、重さは210gと羽根のように軽い。沈胴設計で格納時のサイズはわずか69.6mm x 58mmだ。鏡筒は24mmで最も長くなり、このとき全長は85mmになる。
  • フードはオプションで、キヤノンが低価格のレンズに依然としてフードを同梱しないのは残念なことだ。
  • 手ブレ補正のテストでは、レンズ単体で余裕で4段分の効果があることが分かった。
  • AFはキビキビと動き、速く正確だ。50mmでは最大撮影倍率は0.19倍になる。
  • 前玉はフッ素コーティングは施されておらず、防塵防滴のシーリングも施されていないので、悪天候では活動が制限されて残念だ。
  • マウントはプラスチック製で、非常にスムーズに装着でき、ロックすると遊びは全く無い。

  • 24mmの解像力は中央はF4.5ではとても良好な値(very good)で、F5.6からF11では素晴らしい値(excellent)、F16とF22ではとても良好な値(very good)だ。隅はF4.5からF8でとても良好な値(very good)、F11とF16で良好な値(good)、F22ではそこそこの値(fair)だ。

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  • 35mmの解像力は中央はF5.6からF16では素晴らしい値(excellent)、F29でとても良好な値(very good)だ。隅はF5.6からF22でとても良好な値(very good)で、F29のみそこそこの値(fair)に低下する。

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  • 50mmの解像力は中央はF6.3でとても良好な値(very good)、F8では素晴らしい値(excellent)、F11からF22でとても良好な値(very good)だ。隅はF6.3からF22でとても良好な値(very good)で、F32でそこそこの値(fair)だ。このレンズは実に見事な性能だ。

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  • 倍率色収差は自動補正を無効にして計測したが、ズーム全域で非常に小さな値で、色ズレの兆候は見られない。
  • 歪曲は24mmで-0.37%のタル型、35mmで+0.03%の糸巻き型、50mmで-0.06%のタル型で、これは明らかに自動補正に助けられているが、ほぼまっすぐで建築物の撮影に非常に適している。
  • ボケはレンズが暗いので大きくはボケないが、非常に滑らかに見える。
  • 逆光では問題は見られず、厳しい照明下でもフレア・ゴーストの無い優れた結果が得られる。
  • 周辺光量落ちは24mmでは開放で-1.5EVと目に付くが、これはクリエイティブに活用できる。望遠側にズームすると周辺光量落ちは改善する。全体的に周辺光量落ちはズームレンズとしては非常に妥当なものだ。

  • 結論:キヤノンの軽量で安価なレンズには多くの魅力がある。このレンズの解像力は素晴らしく、最短撮影距離が短く便利で、AFは速く正確で、手ブレ補正は効果的だ。防塵防滴でないことも少しマイナス点だが、最大の欠点は暗い開放F値で、F6.3は極めて暗い50mmレンズだ。ポートレートで被写界深度を浅くして美しいボケが得られないのは残念だ。全体としていくつかの欠点があるものの、優れた性能と使いやすさで、このレンズは理想的な入門用レンズとなっている。
  • 良い点:素晴らしい解像力、歪曲が小さい、色収差が少ない、周辺光量落ちが穏やか、効果的な手ブレ補正、フレアが少ない、価格が安い。
  • 悪い点:レンズが暗い、防塵防滴ではない、標準でフードが付属しない。

 

RF24-50mm F4.5-6.3は安価なキット用のレンズですが、ズーム全域で開放から優れた解像力で、特定のズーム域での落ち込みも見られず、キットズームとしてはなかなか優秀という印象です。レンズの暗さは、価格や大きさ重さとの兼ね合いなので仕方のないとことかもしれませんが、望遠端がF5.6なら、更に使い勝手がよくなりそうですね。