ここまで「Vlogカメラ」が増えた理由

ITmediaNEWSに、最近のVlogカメラブームに関する考察記事が掲載されています。

どこもかしこも"Vlog強化" ここまで「Vlogカメラ」が増えた理由

  • Vlogカメラの先駆者は、ソニーだと言っていいだろう。2020年6月に、「VLOGCAM」と銘打ったカメラ「 ZV-1」を発売した。ソニーは翌年の2021年、レンズ交換式なのにZV-1より安いという「ZV-E10」を投入。これが大ヒット商品となった。
  • パナソニックは2020年7月という早い段階から「LUMIX G100」で参入。ソニーのZV-1とほぼ同タイミングなので、狙いはまさに同じだったのだろう。いいカメラだったが、次の一手が打てずに停滞している。
  • 2022年にはニコンが「Vlog撮影に最適」とうたう「Z30」を発売。Zマウントで最小・最軽量で、動画撮影に最適化した。
  • そこにキヤノンが同社としては今年初めて、「Vlog向け」をうたうカメラ「PowerShot V10」で参入する。今回、デジタルカメラ市場でトップシェアのキヤノンがいよいよVlogへ向けて動き出したことで、改めてカメラ市場の一角にVlogというエリアがあるということが、広く認識されることになった。

  • SNSは、テキスト、写真、動画へと拡張してきているわけだが、いわゆる「インフルエンサー」といわれる人たちももはやバエ写真では稼げず、動画コンテンツへと進出している。写真系だったインフルエンサーの、「動画プロ化」が起こった。収益があるなら、無理して自前のスマホで撮る必要はなく、動画に強いデジタルカメラを使うようになった。
  • これまでスマホで自撮り動画を撮ってきたアマチュアも、インフルエンサーの「脱スマホ化」を見て、動画カメラに興味を持ち始めている。新規参入者の初めてスマホ以外に買うカメラとして、Vlogカメラが選ばれている。
  • Vlog市場拡大を受けて、ワイヤレスマイクも活気づいている。RODE、DJI、Hollylandといった新進気鋭メーカーが2~3万円程度で次々とワイヤレスマイクを投入している。2023年はあのAnkerもワイヤレスマイク市場に参戦してきた。しゃべりを録るという需要が、ワールドワイドで本格化しているのが分かる。

  • 連日のVlogカメラの登場に、Vlogをやる人、いわゆるVloger人口はそれほど多いのかという疑問もあるだろうが、すでにビデオカメラという製品群が消滅した中、スマホのインカメラ以上のクオリティーで動画を撮影するというニーズをごった煮にしたワードとして、「Vlog」は機能しているのではないだろうか。それは写真の世界がスマホ or フルサイズ標準になっていく中、カメラメーカーがもう稼げなくなったコンデジ、マイクロ4/3、APS-Cサイズの資産と知見を集約して、次の稼ぎ手に担ぎ上げたいという戦略も見えてくる。

 

最近ではスマホからのアップグレードとして「初めて買うカメラがVlogカメラ」というケースも多くなっているということなので、最近のVlogカメラブームは、Vlogカメラがカメラ入門機の役割りを果たすようになってきたのも大きいようですね。

このVlogカメラ人気が一過性のものなのか、それとも今後のカメラの中心を担うような存在になっていくのか、興味深いところですね。