ニコン「Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VR」ズーム全域で一貫した見事な解像力

ePHOTOzineに、ニコンのDX(APS-C)用の広角ズーム「Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VR」のレビューが掲載されています。

Nikon Z DX 12-28mm F/3.5-5.6 PZ VR Lens Review

  • このレンズはプラスチックが多用されており、205gと羽根のように軽い。サイズは72mm x 63.5mmと分厚いが、Z30には完璧にマッチする。
  • パワーズームは11段階で制御可能で、適度な速さでズームできる。これは動画撮影では大きなメリットだ。
  • AFは非常に速く静かで、正確に瞬時に合焦する。最短撮影距離は0.19、最大撮影倍率は0.21倍とマクロほどではないが寄れて便利だ。

  • 12mmの解像力は、中央はF3.5からF11まで際立った値(outstanding)で、F16で素晴らしい値(excellent)だ。隅は F3.5 からF8 まで素晴らしい値(excellent)で、F11 ではとても良好な値(very good)、F16では良好な値(good)だ。

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  • 21mmの解像力は、中央はF4.8からF11で際立った値(outstanding)、F16で素晴らしい値(excellent)、F22でとても良好な値(very good)だ。隅はF4.8からF11で素晴らしい値(excellent)、F16でとても良好な値(very good)、F22 で良好な値(good)だ。

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  • 28mmの解像力は、中央はF5.6 からF11で際立った値(outstanding)、F16で素晴らしい値(excellent)、F22とF25 ではとても良好な値(very good)だ。隅はF5.6から F11では素晴らしい値(excellent)、F16ではとても良好な値(very good)、F22とF25で良好な値(good)だ。

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  • このレンズの解像力はズーム全域で一貫しており見事だ。
  • 倍率色収差は自動補正を無効にして計測したが、ほとんど色収差は見られず、実写テストでもこのことが裏付けられている。広角端ではわずかに色収差の値が大きくなるが、それでも色ズレが目立つことはないだろう。
  • 歪曲は12mmで-0.28%のタル型、21mmと28mmで+0.02%の糸巻き型と、信じられないほど小さな値で、これは自動補正の助けを借りているのかもしれないが、重要なのは最終的な結果だ。
  • ボケはゆったりとした満足のいくもので、望遠レンズと同レベルではないが、それほど劣ってはおらず十分に許容範囲内だ。
  • 逆光ではフレアは通常は問題ないが、厳しい条件ではカラフルでドラマチックな様々なフレアが現れることがある。
  • 周辺光量落ちは12mm開放で-1.8EV、28mm開放で-0.5EVでズームレンズとしてはそれほど大きくはない。広角端では周辺光量落ちは目立つが、絞るとすぐに妥当なレベルまで改善する。
  • 価格は379ポンドで、コストパフォーマンスは素晴らしい。

  • ニコンのZレンズシリーズは輝いているように見えるが、これはDX用レンズでも言えることだ。このレンズは機能と操作性の面では万全で、よく考えられている。技術的な品質も高く、単にシャープなだけなレンズではない。フレアや周辺光量落ちなどの欠点をクリエイティブに活用することで、個性あふれる刺激的なレンズになる。ニコンは見事なレンズを安い価格で提供しており、エディターズチョイスに相応しいと思う。
  • 良い点:際立った中央の解像力、素晴らしい隅の解像力、パワーズーム、防塵防滴仕様、中央も隅も色収差が非常に少ない、非常に歪曲が小さい、素晴らしいハンドリング、速く正確なAF、素晴らしいフレア効果と通常時のフレアの少なさ、滑らかなボケ、素晴らしい価格。
  • 悪い点:いくらか周辺光量落ちがある(クリエイティブに活用できるかもしれない)、いくらかフレアが見られる(クリエイティブに活用できるかもしれない)、標準でフードが付属しない。

 

解像力チャートでは一見すると広角側の隅の解像力が低く見えますが、これは中央が高すぎるためにそのように見えるだけで、隅も開放からexcellentのレベルなので、広角ズームとしてはズーム全域で非常に優れた解像力と言ってよさそうです。

逆光耐性に関しては、超広角レンズは光源が画面内に入りやすいので、カラフルなフレアやゴーストが出ることがある(サンプル画像)のが少々気になるところですが、レビュアーはクリエイティブに活用できると前向きに捉えているようです。