「Z 6II」と「LUMIX S5II」のAF性能はやや残念

価格.comマガジンに、フルサイズミラーレスのスタンダードモデル4機種(α7 IV、EOS R8、Z6II、LUMIX S5II)の比較レビューが掲載されています。

フルサイズミラーレスカメラ"定番モデル"徹底比較! 選んで間違いない4機種

  • 操作性:一眼カメラの操作性は、使用者の「慣れ」や「好み」が大きく影響するため、一概にどれがすぐれているとは決めがたい。しかし、そのなかでもキヤノン「EOS R8」は、小型・軽量化を優先しながら、少ないスペースを有効に活用してわかりやすい操作性を実現していると思った。また、モニターやファインダーの視認性は、撮影における快適性の重要なファクターだが、その点、妥協することなくクラス以上の高品質なものを備えたニコン「Z 6II」は「さすが」と感心してしまった。同様のことはパナソニック「LUMIX S5II」にも言える。

  • 画質:最終的には人それぞれの「好み」が大きく影響するので、絶対的なことは言えないが、あえて言えば、パナソニック「LUMIX S5II」が知覚的で好ましい発色と、適度な立体感をうまく表現している印象。逆に、最も忠実で地味に感じたのが、意外にもキヤノン「EOS R8」。ただし、階調性を整えながら細部を描き分ける表現は、むしろこちらのほうが望ましく感じる。画質については、今回の4モデルはどれもすぐれている。

  • 高感度:常用最高感度はキヤノン「EOS R8」が最も高いが、実際のところは「EOS R8」は、ISO51200ではほかの3モデルと同程度のクオリティだ。ノイズの処理については、それぞれのモデルに考えの違いが見てとれる。徹底的にノイズを除去してクリアな画作りを目指しているのがソニー「α7 IV」で、ディテールの再現性を重視してノイズ除去はほどほどに抑えているのがパナソニック「LUMIX S5II」だ。4モデルの間に明確な高感度性能の差はない。

  • AF性能:AFついては全般的にソニー「α7 IV」とキヤノン「EOS R8」が速度・精度ともに安定した性能を見せてくれた。特に、小型・軽量化を優先しつつ、AF性能も連写性能も高い「EOS R8」の実力には驚かされる。比べてみると、ニコン「Z 6II」とパナソニック「LUMIX S5II」は、AF性能の結果ではやや残念なことになったが、それほど動きが速くない被写体であれば問題なく撮影することができるはずだ。

  • まとめ:4機種をピックアップして試したが、いずれも非常に高いレベルに仕上がっていた。「どういった使い方をしたいのか」を考えて絞っていけば、最適なモデルが見つかるだろう。何よりも軽さを重視するならキヤノン「EOS R8」、動画撮影機能を重視するならパナソニック「LUMIX S5II」またはソニー「α7 IV」、ファインダーやモニターの視認性を大切にしたいならニコン「Z 6II」といった具合だ。どのモデルもスタンダードクラスやミドルクラスという枠組みを超えるほどの高性能で、デザインの好みや価格で決めてもまったく問題ないだろう。

 

操作性に関しては、唯一ジョイスティックが無いEOS R8が高く評価されているのが面白いところで、ジョイスティックの無い機種が厳しい評価を受ける海外のレビューとは対照的ですね。

ファインダーはZ6IIが高評価ですが、ニコンのファインダーはスペックの数字以上に非常に見え味がよくピントの山も確認しやすいのでこれは納得のいくところです。画質に関してはS5IIが高評価で、同社の色にこだわった絵作りが評価されたようですね。

AFに関してはα7 IVとEOS R8が高評価で、Z6IIとS5IIはやや残念と述べられていますが、ニコンはZ9やZ8で培ったAFの技術が次世代のミドルレンジ機に降りてくるのを期待したいところですね。また、S5IIは像面位相差AFを初採用した機種なので、位相差AFを完全に使いこなすまでにもう少し時間が必要なのかもしれません。