キヤノンの「85mm F1.4」「75mm F1.4」「100mm F1.4」の特許出願

キヤノンがフルサイズミーラーレス用の「85mm F1.4」「75mm F1.4」「100mm F1.4」「85mm F1.2」の実施例を含む、小型のフォーカシングレンズ群で広い距離範囲の収差を良好に補正する光学系に関する特許を出願しています。

IP Force

  • 出願人:キヤノン株式会社
    公開番号:P2023099386
    出願番号:P 2022000013
    公開日:2023-07-13
    発明の名称: 光学系およびそれを有する撮像装置
  • 【課題】フォーカスレンズ群の小型化を達成しつつ、広い物体距離の範囲にわたって収差を良好に補正可能な光学系を提供する。
  • 近年、撮像装置に用いられる光学系は、フォーカスレンズ群のレンズ径全体の小型化を達成すると共に、撮影倍率を増大しつつも最至近での撮影時の色収差や像面湾曲などを良好に補正可能であることが要求されている。これらの要求を満足する光学系として、特許文献1には、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力のフォーカスレンズ群、正の屈折力のフォーカスレンズ群を有する光学系が開示されている。
  • しかしながら、特許文献1に記載の光学系では、光学系を大口径化した際に、正の屈折力のフォーカスレンズ群の焦点距離と該フォーカスレンズ群の像側に配置されている第4レンズ群の焦点距離が適切に設定されていない。このことから、特許文献1に記載の光学系では、光学系を大口径化した際に、フォーカシングに際して収差変動を抑制することが困難である。
  • 本発明は、フォーカスレンズ群の小型化を達成しつつ、広い物体距離の範囲にわたって収差を良好に補正可能な光学系を提供する。

  • 実施例1(85mm F1.4)
    焦点距離 82.50
    F値 1.46
    半画角 14.69
    像高 21.64
    全長 112.50
    バックフォーカス 13.00

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  • 実施例2(75mm F1.4)
    焦点距離 72.10
    F値 1.46
    半画角 16.70
    像高 21.64
    全長 108.50
    バックフォーカス 12.99

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  • 実施例3(100mm F1.4)
    焦点距離 97.50
    F値 1.46
    半画角 12.51
    像高 21.64
    全長 125.50
    バックフォーカス 13.00

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  • 実施例4(85mm F1.2)
    焦点距離 82.50
    F値 1.24
    半画角 14.69
    像高 21.64
    全長 135.50
    バックフォーカス 15.03

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85mm F1.4はEFレンズではラインナップされていたので、RFでも製品化される可能性はあるかもしれませんね。75mm F1.4は少々中途半端な焦点距離なので、製品化の可能性はあまりなさそうな気がします。

100mm F1.4(105mm F1.4)はニコンやツァイス、シグマが既に発売しており、ソニーもEマウントで発売すると噂されているので、キヤノンが製品化を考えていても不思議はありませんね。85mm F1.2は現行のRF85mm F1.2Lとは異なる光学系ですが、現行型のモデルチェンジにはまだ時期が早すぎるような気がします。