ソニー「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」は「GM」のラベルから想像するほど最高の性能ではない

OpticalLimitsに、ソニーの超望遠ズーム「FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」のレビューが掲載されています。

Sony FE 100-400mm f/4.5-5.6 GM OSS - Review / Test Report

  • 鏡筒は大部分が金属製で望遠端まで繰り出しても全くガタつかず、クオリティは非常に高い。
  • ズームリングはトルク調整リングを使って重さを変更でき、ズームの自重落下を防ぐことができる。フォーカスリングの動きも滑らかだ。
  • 重さは1.4kgとクラス相応だ。三脚座は残念ながらアルカスイス互換ではない。
  • AFはDDSSMのおかげで非常に速い。MFは電子式だ。このレンズはフローティングを採用し、最大撮影倍率1:2.85の近接撮影能力があるのが興味深い点だ。
  • 手ブレ補正の効果は公式な段数の数値は見つからなかったが、実写では4段分の効果が確認された。

  • 歪曲はRAWでは100mmでは0.415%の弱い糸巻き型だが、望遠側にズームすると200mmで1.88%、400mmで1.41%の中程度のレベルになる。歪曲は極端には大きくない程度だ。自動補正を使うと歪曲はほぼ完璧に補正される。
  • 周辺光量落ちはRAWではズームの両端で1.5EV前後で、超望遠ズームの平均よりも高い値だ。絞ると広角端から中間域では周辺光量落ちはかなり改善するが、望遠端では高い値のままだ。自動補正を有効にすると顕著な周辺光量落ちは見られなくなる。
  • 解像力は100mmで最も優れており、中央は開放で素晴らしい値で、周辺部も余裕でとても良好な値だ。望遠側にズームすると少しずつ解像力は低下し、400mmでは開放で中央はかろうじて素晴らしい値で、隅は良い~とても良い値だ。F8に絞ると若干解像力は改善するが、F11では回折の影響が大きくなる。テストした個体の偏芯は良く抑えられていた。

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  • 倍率色収差は周辺部で平均1~1.5ピクセルで、比較的よく抑えられている。実写では自動補正のおかげで問題はないが、GMレンズにはもう少し良好な結果を期待していた。
  • ソニーはGMシリーズのボケの良さを強調しているが、確かに玉ボケは輪郭は少しあるものの内部は非常に滑らかだ。口径食は見られるが周辺部でケラれはじめるのは遅く、1段絞ればほぼ解消する。後ボケは非常に滑らかだが、前ボケは少しうるさい。
  • 直接競合するレンズはシグマの100-400mm F5-6.3 DG DNのみで、広角側では解像力の差は小さいが、400mmではソニーの方が明らかに優れている。また、鏡筒の造りはシグマの方が少し劣り、三脚座も付属していないが、価格はシグマの方がかなり安い。FE200-600mm F5.6-6.3 Gとの比較では、FE200-600mmの400mmの方が同等かわずかにシャープだが、FE100-400mm F4.5-5.6 GMの方がボケは優れている。

  • FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSSはテストで際立った結果ではないものの、まずまずの結果を残している。このレンズは100mmでは非常にシャープだが、400mmでは周辺部が少し甘くなる。ボケは超望遠ズームとしては非常に優れている。このレンズは500mmや600mmクラス超望遠ズームよりも、小ささ、軽さ、汎用性を求めるユーザーにはより好ましいレンズだが、高い価格やGMのラベルから想像するほど最高の性能というわけではない。

 

FE100-400mm F4.5-5.6は「GM」を冠したレンズに期待したほど最高の性能ではないという評価ですが、解像力は望遠端では全体的に少し低めになるものの全域で安定した値で、このクラスのズームとしては十分以上の性能という印象です。また、かなり寄れることと、ズームとしてはボケが綺麗なことはポイントが高いですね。