OMDSが、IBIS(ボディ内手ブレ補正)とレンズ内手ブレ補正(IS)の強調補正で、より長い時間天体を追尾するための技術に関する特許を取得しています。
- 特許権者:OMデジタルソリューションズ株式会社
公開番号:P2020173343
出願番号:P 2019075186
発行日:2023-07-06
発明の名称: 追尾装置および追尾方法 - 本発明は、撮影光学系と撮像素子を有する撮影装置において、天体等を追尾できるようにした追尾装置および追尾方法に関する。
- 天体は天の北極を中心に回転移動しているため、長時間に亘って撮影すると光跡が流れた写真となってしまう。そこで、撮影装置内に設けられた防振機構を利用して、天体像を追跡し、天体像を静止させて撮影できるようにしたデジタルカメラが提案されている(特許文献1参照)。このデジタルカメラの防振機構は、撮像素子と撮影レンズ内の光学系を移動させることができ、天体像の移動に応じて、撮像素子と光学系を移動させ、天体像を静止させている。
- 特許文献1に開示されたデジタルカメラでは、天体等を追尾する際、カメラ本体側の防振機構は、天体像の回転運動を打ち消すことによって静止させるためのみに使用し、撮影レンズ側の防振機構は天体像の水平および垂直方向の運動を打ち消すことによって静止させるために使用している。カメラ本体側の防振機構と、撮影レンズ側の防振機構の両方を使用しても良い旨の記載はあるが、具体的に2つの防振機構をどの様に制御するかについて記載はない。そのため、算出した最長駆動可能位置へ、撮像素子を移動させるための可動部を制御することについて記載がない。特許文献1に記載のデジタルカメラは、最も長く駆動する際の初期位置は光軸位置であり、撮影レンズ側の防振機構のみを駆動するので、露光時間(観察時間)を長くすることができない。このため、露光時間を長くするために、カメラ本体を動かすことによって被写体との位置を再設定し直し、また、再設定し直す前の設定との整合を取らなければならなかった。
- 本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、長時間の露光時間(観察時間)の間、天体等の被写体を追尾可能な追尾装置および追尾方法を提供することを目的とする。
これまでの天体撮影時のIBISとの協調補正の特許では、IBISが視野の回転を防ぎ、レンズ内補正で星の動きを追っていましたが、今回のOMDSの特許ではIBISが視野の回転を防ぎながら同時にレンズ内補正と協調して星の動きも追うことで、より長時間の天体の追尾を可能にしています。もし、OMDSのカメラにこの特許の技術が採用されれば、ペンタックスのアストロトレーサーよりも長時間の天体追尾が可能になるかもしれませんね。
tdk
興味深い特許ですが、現状では天体撮影に適したレンズに手ブレ補正を搭載したものが無いので、もし実装するとしたら新レンズも合わせて発表でしょうか
kmz
山の上で天体撮影となるとM4/3の強みの軽さが活きるので、魅力的なアピールポイントになりますね。
ただ、レンズの防振機構を動かすようですが、元のリコーの特許の請求項1がかなり強力なので(センサーを動かすことに限定されていない)、権利化できるか微妙な感じですね。
2007
恐らくPENTAXと同じくらいでは?
むしろ換算600mm望遠で60〜120秒以上、追尾出来ればPENTAXのアストロトレーサーを超えるかも?
そこまで来ると、ポタ赤も必要無くなります。
夢が広がる機能ですね。
ねす
超望遠レンズに搭載されているレンズ内手ぶれ補正機能とボディ内手ぶれ補正機能を同調させて、より高画質な銀河の写真などが撮れると思いましたが、そういった写真を撮る方は赤道儀をすでにお持ちになっているのではないかと思いました。
これはどちらかと言えば広角レンズで取るよう星空の写真に使われそうな技術ですが、オリンパスさんの広角レンズにレンズ内手ぶれ補正機能があるレンズはありませんね。
12-100/4.0の広角端ならつかえるでしょうか
スナッキー
PENTAXとOMSDで合従策?
特許の持ち合いなど色々展開があるのかもしれませんね。
2007
広角って 、IS搭載はM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS pro くらいしか無いの!?
広角8-35 IS 出して欲しいかな…
75-300のIS版とか…
星景・星座・星雲まで使えるIS搭載レンズ出さないと宝の持ち腐れですね。
OMSレンズでも、2本しかない上に広角対応は1本も無いですし。
恐らく、OLYMPUSレンズはファーム対応で行けるシステムなのかな?
ボディだけの追跡って可能だと思うけど、PENTAX特許に引っかからない!?
dark angel
今は短時間露出で点像で写した星の写真を複数枚合成して、
画質を向上させるようなソフトがいろいろあるので、
もし製品化出来ても果たして需要があるでしょうか?
望遠レンズで星雲や星団をアップで撮る時に追尾撮影が可能なら、
マイクロフォーサーズのコンパクトなシステムと合わせて使ってみたいと思う天文ファンはいると思いますが…。
双感鏡
OMDSユーザーですがうれしくて、初めて投稿します。
星の撮影ですが、デジタルカメラにより短時間露出撮像を繰り返し、後に画像処理で仕上げた星の写真が増えてきました。
また、望遠鏡の架台も赤道儀を利用するのが一般的でしたが、自動導入できる経緯台も増えてきました。
経緯台で日周運動に合わせて星を撮像すると視野が回転するので、接眼部(カメラ取り付け部)にそれを補正する回転装置が必要でしたが、それを撮像素子の回転で補い、その回転を繰り返して撮像し画像処理まで行ってもらうと、赤道儀で撮像したのと同じになります。
今のところそのような赤道儀モードを備えたカメラはないと思います。
この特許のように協調する必要はないので異なる技術になりますが、実現してもらうと、ミラーレスでの星の撮影者にとって経費、手間、スペース、体力の節約になりいいことずくめと思います。
ぜひ、赤道儀モードも追加して欲しいです。
ボヘミアン
ペンタックスにライセンス料を払うのか、
ペンタックス特許を避けて申請するのかですね。
個人的には、光学系には防振なしが理想なので、ボディの手ブレ補正でやる方式を支持します。
とはいえ、技術的な可能性としてレンズ内の防振を活かすのはありだと思います。
朔
うーん、ペンタックスの特許に抵触しそうですがレンズ側が手振れ補正に対応していないと使えないように聞こえるのでギリセーフなんですかね?
かなり穴を突いた特許だとは思いますが効果はかなり期待できそうですね。
ただそれにしてもレンズの方までここまで細密に動かせるものとは思いもしませんでした。
ペンタックスも脱帽物ではないでしょうか?
akarin
まあ、あくまで特許の話で、実装されるわけではないので、既存のレンズでは…みたいな話はとりあえず関係ない感じですかね。
OMDSが進めるコンピュテーショナルフォトグラフィーに繋がる技術なので、実現できれば良いなぁとは思いますが。
ペンタックスの特許に関しては抵触していたら特許は取得できないと思うので、既に特許を取得できているのなら問題ないと判断されているのでは?
kooth
ペンタックスのアストロトレーサーの特許が
特願2009-243620で特許5458802だから、
2029年に特許が切れるわけで、
それを見越して準備しているのかも。
朔
うーん、ペンタックスの特許に抵触しそうですがレンズ側が手振れ補正に対応していないと使えないように聞こえるのでギリセーフなんですかね?
かなり穴を突いた特許だとは思いますが効果はかなり期待できそうですね。
ただそれにしてもレンズの方までここまで細密に動かせるものとは思いもしませんでした。
ペンタックスも脱帽物ではないでしょうか?