富士フイルムはチェキ関連事業が引き続き好調

東洋経済ONLINEに、富士フイルムの「チェキ(Instax)」に関する記事が掲載されています。

富士フイルム「チェキ」がスマホ連携で遂げた進化

  • 「チェキ」は1998年に富士フイルムから発売され、2023年11月で発売25周年を迎える。撮り直しができない、データではなくモノとしてのフィルムが出てくるという、チェキのアナログ感が逆に魅力となっている。
  • 特に好調なのは遊べるスマホプリンター「Link」シリーズだ。この新製品が牽引し、「Link」シリーズの2022年度の販売台数はグローバルで前年度比2割増。国内での売り上げは前年度比3割増だった。
  • チェキ専用フィルムで伸びが著しいのは、2017年度から販売しているスクエアフィルムだ。2022年度までに販売数量は6倍になった。2023年度は年間で3割増を見込む。おしゃれ感を演出できる写真フォーマットとして市民権を得たといってよさそうだ。
  • 若い女性が中心だった顧客層にも変化が出ている。最近では「男性層への販売の伸びが大きい」(富士フイルムイメージングソリューション事業部統括マネージャーの高井隆一郎氏)という。男性層への人気の火付け役となったのが、2021年11月に発売したハイブリッドタイプの「INSTAX mini Evo」だ。
  • 富士フイルムは、チェキについて収益などの具体的な数字を公開していない。しかし、決算説明会では継続して、チェキの好調に触れている。チェキ関連がその大部分を占める「コンシューマーイメージングセグメント」の2022年度の売上高は2669億円。前年度比で22%伸びた。同セグメントは、チェキのほかにも写真関連を扱う「イメージング事業」の売り上げの65%を占める。
  • イメージング事業の全社業績への貢献度は、売上高では14%だが、利益では24%(全社費用は除く)。稼ぎ頭といえる事業だ。なお、コロナ前にあたる2018年度のイメージング事業の売上高は3869億円。それが直近2022年度には4103億円となっている。
  • スマホの普及により、写真を撮るための機械であるカメラの販売台数は激減した。一方、チェキの楽しさはスマホと競合しない。チェキは今後も、スマホを味方に好調を維持しそうだ。

 

デジカメの普及でネガ/ポジフィルムを使うフィルムカメラはほとんど市場から消えてしまいましたが、インスタントフィルムを使うチェキは衰えるどころかますます好調のようですね。スマホが普及して写真が手軽に撮れる今でも、紙の写真がすぐに得られるチェキはかなり訴求力があるようです。

チェキ関連事業の会社業績への貢献度もかなり大きいので、富士フイルムは今後もチェキ関連製品に力を入れていくことになりそうですね。