ニコン「Z DX 24mm f/1.7」は解像力テストでは期待外れだが実写では非常に満足の行く性能

DigitalCameraWorldに、ニコンのAPS-C用の広角単焦点レンズ「Z DX 24mm f/1.7」のレビューが掲載されています。

Nikon Z DX 24mm f/1.7 review

  • 最短撮影距離はわずか18cmと短く、かなり寄れる。最大撮影倍率も0.19倍とこの種のレンズとしては十分だ。
  • 重さはわずか135gだが、鏡筒の品質は説得力のあるものだ。
  • AFはステッピングモーターで、スチルでは素早く、動画ではほぼ無音で滑らかな動きだ。フォーカスブリージングは無視できるほど少ない。
  • このレンズは完全な防塵防滴ではないが、マウント部にはゴムのシーリングが施されている。低価格のレンズでは珍しくフードが付属している。

  • Zレンズで印象的ではないレンズをまだ見たことがないが、このレンズもそれを踏襲している。実写テストでは、AFは速く一貫して正確だ。中央の解像力は開放でもかなり良好で、F2.8に絞ると非常に良好になる。周辺部や隅は開放ではやや精彩を欠くが、F4では鮮明になる。
  • 絞りはF11までしか絞れない(最小絞りがF11)。
  • 自動補正を無効にすると糸巻き型の歪曲が目立ち、開放では周辺光量落ちがかなり目立つ。それでも、歪曲補正を無効にできない最近の多くのミラーレス用レンズと異なり、このレンズは自動補正を無効にしても全く問題なく使用できる。
  • 実写テストでは全体としてこのような軽量コンパクトなレンズとしては、非常に満足のいく性能だ。

  • ラボテスト(解像力):開放時の解像力は中央でも期待外れだ。このレンズの良さを引き出すにはF2.8まで絞る必要があり、F2.8では中央は実に際立った解像力になる。しかし、隅の解像力は平均的だ。

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  • ラボテスト(色収差):倍率色収差はほとんどのケースで目立つレベル以下に抑えられている。絞り込んだ時は隅に色収差が現れるが、わずかだ。
  • ラボテスト(歪曲):広角レンズとしては奇妙なことだが、未補正のRAWでは歪曲は弱い糸巻き型(2.27%)だ。
  • 軽量コンパクトで換算36mmのこのレンズは、ストリート写真や散策用に最適だ。明るいレンズなので近接撮影では背景をボカすことができ、暗い状況でも速いシャッター速度が選択できる。全体として、このレンズは低価格で素晴らしい性能の汎用性に富むレンズだ。
  • 良い点:軽量コンパクト、F1.7の明るさ、便利な換算36mmの焦点距離。
  • 悪い点:プラスチック製のマウント、VR非搭載、完全な防塵防滴ではない。

 

このレンズはラボテストではやや解像力が低めですが、実写では非常に満足の行く性能と述べられているので、他の多くの広角レンズ同様に近距離のチャートよりも実際の被写体で実力を発揮するレンズのようですね。サンプルをみつ限りでは、このレンズは、広角レンズとしては非常に後ボケの綺麗なレンズという印象です。