ソニー「ZV-1 II」はスチル用としては操作性が悪く撮影の楽しさに欠ける

DPReviewに、ソニー「ZV-1 II」のスチルカメラとしてのレビューが掲載されています。

Sony ZV-1 Mark II - how is it as a photographer's compact?

  • ZV-1 II はVlog最優先の位置付けのカメラだが、ニコンのDL18-50の再来だと思った人もいるかもしれない。ZV-1 II が日常のスチル用としてどの程度性能を発揮できるかを調べてみた。
  • ZV-1 II はボタンは少なくダイヤルは1つだけで、迅速にアクセスできる操作部が少ないため、操作がかなり制限されているように感じられる。それでも、Fnボタンと4方向ダイヤルを組み合わせてタッチパネルを使わずに露出補正をすることは可能だ。
  • ストリート写真の撮影では、ZV-1 II の目立たない外観とメカシャッターレスの静かな動作のおかげで、周囲の人からはスルーされた。
  • 明るい日光下での撮影では背面のモニタが見にくくなることがあり、このような時にはファインダーが欲しかった。
  • ZV-1 II はジャケットのポケットに入れやすく、とても軽量だ。

  • ZV-1 II は動画ではデジタル手ブレ補正機能があるが、スチルには手ブレ補正はない。バーやクラブでの撮影では手ブレ補正の非搭載の影響が非常に大きく、安定した写真を撮るのは難しいことが分かった。カメラが小型で軽いので、手持ちでしっかり固定してスローシャッターを切るのは困難だ。タッチパネルでAF測距点を修正しながらの撮影では、1/100秒でも微妙にブレることがあった。
  • メカシャッターが搭載されておらず、シャッター速度の下限が1/4秒までに制限されている。これは99%の日常の撮影では問題ないが、通り過ぎる車の光跡を撮影しようとしたときなど、1%の状況に遭遇した場合は1/4秒の制限で苦戦することになる。
  • このカメラはオートか絞り/シャッター優先モードのいずれかで使用するのがベストで、マニュアルでは使用しないという結論に達した。背面ダイヤルが1つしかないこのカメラをマニュアルで使うのはパフォーマンスアートだ。マニュアルではタッチパネルか4方向ダイヤルを押して絞りとシャッターの切り替えを行うことになるが、全てを目視で確認しながら設定しないと、どの設定を調整しているのか非常に間違えやすい。

  • PowerShot G7 X II と比較すると、G7 X II はレンズ周囲のダイヤルで絞りやシャッターをコントロール可能で、露出補正ダイヤルを含めると3ダイヤルとなり、ずっと楽しい撮影体験ができる。G7 X IIとZV-1 II は似たような形状で、どちらも2000万画素機だが、G7 X IIにはZV-1 II に欠けている重要な要素「撮影の楽しさ」がある。
  • ZV-1 II の良い点は、新しい18-50mm相当のレンズが素晴らしいことだ。これはポケットに入るコンパクトなレンズとしては理想的な画角で、ズームの動きも速く滑らかだ。電源ONにした際の起動時間も短い。また、積層型センサーのおかげで、動体追尾AFも非常に速い。
  • ZV-1 II はスチル用に作られたカメラという感じはしないが、ブイロガーがターゲットなのでこれは意外なことではない。このカメラは自動モードで全てを行うと最も威力を発揮する。小さな操作部のせいで、モードや、絞り・シャッターの変更でさえ面倒に感じる。また、意図せずに誤操作で設定が変わってしまうこともあった。
  • ZV-1 II をスチル用に使用したかったが、私の撮影方法に適したカメラではなかった。DL18-50mmの夢は叶わぬまま続いている。

 

18mmスタートのコンデジは他には無いので、ZV-1 II をスチル用に使いたいと思っている人はこのレビュワーだけではなさそうですね。

ZV-1 II はVlog用のカメラなのでスチル撮影時の操作性が良くないのは仕方のないところですが、手ブレ補正が付いていないことと、スローシャッターが1/4秒に制限されるのは、スチル用としては使い低いかもしれません。

とは言え、オートモードで使う分には操作性の問題はあまり無く、18-50mmのレンズの出来は素晴らしく、AFは非常に優秀という評価を得ているので、オートで気軽にスチルの撮影をするような用途ならスチル用としても活躍してくれるかもしれませんね。