「α1」「EOS R5C」「Z8」のうちベストの8K動画カメラは?

PetaPixelに、ソニーα1とキヤノンEOS R5C、ニコンZ8の8K動画撮影における比較レビューが掲載されています。

Sony A1 vs Canon R5 C vs Nikon Z8: Which Camera is Best for 8K Video?

  • ハンドリング:ハンドリング部門ではEOS R5Cの勝利だ。R5Cは唯一モニタがバリアングルで、驚くほど快適なエルゴノミクスを実現している。しかし、R5Cを際立たせているのは、スチルモードか動画モードかによって2つの撮影体験ができることで、動画モードに切り替えるとプロフェッショナルな動画インターフェースとメニューが表示され、様々な動画機能が利用できる。Z8はエルゴノミクスは優れているがモニタを手前に向けることができないので勝利を逃した。α1はよく考えられたデザインだが、大型の動画アクセサリを使用するには小さすぎて、適切なバランスが取れない。

  • モニタとEVF:ここでもR5Cの勝利だ。R5Cの210万ドットモニタはα1の144万ドットモニタよりも遥かに優れている。R5Cの576万ドットEVFはZ8の369万ドットEVFよりもずっと容易にピントを確認できる。α1の944万ドットEVFは素晴らしいが、精彩を欠く144万ドットチルト式モニタが足かせとなっている。Z8のEVFは遅延がなくスチル用としては素晴らしいが、8K動画でピントを確認するには解像度が足りない。

  • バッテリーライフ:バッテリーライフはα1が優れている。α1は8K24pで1時間42分、Z8は1時間6分でシャットダウンし、R5Cは残念なことに31分でシャットダウンした。ソニーのZバッテリーは驚異的なバッテリーライフで定評があるが、α1はそれが正当な評価であることを示している。R5Cには多くのスペアバッテリーが必要だろう。

  • AF:この5年で信頼性が飛躍的に向上したため、映像のプロは動画をAFで撮ることが多くなった。α1は3台の中で最も古いにもかかわらず、AFが最も安定していた。α1はAIプロセッサ採用前の機種にもかかわらず、動きの速い被写体を簡単に追尾する。Z8は動画のトラッキングAFは非常に優れているが、悪天候時にAFが混乱することがある。R5CのAFは非常に不安定で、自転車に乗っている子供を全く追いかけられず、静止している被写体でさえピントが合わないことがあった。

  • 10bit内部収録:Z8とα1はどちらも柔軟性のあるLogを採用しており勝者は選べない。キヤノンの10bitプロファイルC-Log3はダイナミックレンジが狭く、ミックス光で綺麗な肌色を出すのに苦労するので、あまり好きではない。

  • RAW動画:R5CはZ8よりも低いビットレートながら優れた画質を実現している。R5CはLightバージョンのRAWコーデックでも画質の低下は感じられず、ファイルサイズを大幅に縮小できる。R5CはC-Log3が好きではないので、比較的管理しやすいファイルサイズのRAW動画を常用することも考えられる。

  • 最高峰に君臨するカメラは?:α1が合計12点で若干リードしており、小さいカメラで優れたAFで8K動画を撮りたい場合にはパーフェクトな選択肢だ。しかし、α1は最も高価だ。Z8とR5Cは11点で同点だが、Z8はコマーシャルやドキュメンタリー、コンテンツ制作に対応できるオールラウンダーで、R5CはRAW動画のファイルサイズの大きさやIBISの省略が問題にならない映画撮影や広告の仕事により適している。

 

8K動画に限定した比較レビューですが、各機種の得手不得手が分かる興味深い内容ですね。EOS R5のAFはスチルでは非常に評価が高いので、EOS R5Cの動画時のAFがこれほどライバルに後れを取っているのは少々意外でした。また、R5Cはバッテリーライフもライバルにかなり差を付けられていますね。

α1はボディが小さすぎることや、モニタの解像度、可動機構がチルト式であることなどがウィークポイントとして指摘されていますが、全体として動画に特化したR5Cよりも高評価なのはすごいですね。Z8は全項目でハイレベルですが、AFに若干苦手なシチュエーションがあるようです。