キヤノンのAPS-C用の「15-70mm F2.8-4 IS」「15-70mm F4 IS」「15-85mm F2.8-5.6 IS」の特許出願

キヤノンがAPS-Cミラーレス用のいくつかの実施例を含む、製造誤差に強くかつ高い光学性能が得られる画角の広い小型ズームレンズの技術に関する特許を出願しています。

IP Force

  • 出願人:キヤノン株式会社
    公開番号:P2023112298
    出願番号:P 2022013994
    公開日:2023-08-14
    発明の名称: レンズ装置及びそれを有する撮像装置

  • 【課題】製造誤差に対してロバストでありながら、高い光学性能が得られる広画角で小型なズームレンズ等を提供する。
  • 近年、撮像装置に用いるレンズ系には、レンズ系全体が小型でありながら高い光学性能を有することが強く要望されている。レンズ系全体の小型化を図りつつ、良好な光学性能を得るには、各レンズ群の屈折力や構成、各レンズ群のズーミングに伴う移動条件等を適切に設定することが重要となる。特に、撮像素子が大きいカメラにおいてレンズ系の小型化を図る場合、高屈折率硝材を多用することが多く、レンズの偏心に対するロバスト性を確保しつつ、色収差を抑制することが求められる。
  • 本発明は、製造誤差に対してロバストでありながら、高い光学性能が得られる広画角で小型なズームレンズ等を提供することを目的とする。
  • 各実施例のズームレンズにおいて、いずれかのレンズ群全体又はその一部を、防振群として光軸に対して垂直な方向の成分を含むように移動させ、又は光軸を含む面内方向へ回転移動(揺動)させることにより、防振を行う構成とすることもできる。特に、接合レンズBを防振群とすることが好ましい。

  • 実施例1(15-70mm F4、APS-C用)
    ズーム比 4.40
    焦点距離 15.45 36.03 67.94
    F値 4.12 4.12 4.12
    半画角 41.27 19.59 10.60
    像高 12.66 13.66 13.66
    レンズ全長 100.14 108.00 120.23
    バックフォーカス 10.46 10.79 12.37

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  • 実施例2(15-70mm F2.8-4、APS-C用)
    ズーム比 4.40
    焦点距離 15.45 36.49 68.04
    Fナンバー 2.88 3.86 4.12
    半画角 41.38 19.53 10.61
    像高 12.66 13.66 13.66
    レンズ全長 100.32 110.44 118.71
    バックフォーカス 10.62 11.68 15.59

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  • 実施例4(15-85mm F2.8-5.6、APS-C用) ズーム比 5.42
    焦点距離 15.45 36.29 83.77
    F値 2.88 4.00 5.80
    半画角 41.36 19.65 8.71
    像高 12.66 13.66 13.66
    レンズ全長 101.54 116.35 133.85
    バックフォーカス 12.12 12.61 16.91

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現在、RF-Sの標準ズームには、広角側が狭くズーム倍率の低いRF-S18-45mm F4.5-6.3しかない状況なので、実施例のような15mmスタートでズーム倍率高めの標準ズームはぜひとも製品化して欲しいところですね。RF-Sの広角ズームが登場して、実施例の標準ズームのどれかが製品化されれば、APS-CのEOS Rもかなり訴求力が上がりそうです。