キヤノン「EOS R5」はなぜ故障しやすいのか

Fstoppersに、キヤノンの「EOS R5」が非常に故障しやすいという記事が掲載されています。

Hey Canon, Why Are Your Cameras Falling Apart?

  • なぜキヤノンのカメラは故障してしまうのか。私は1999年に祖母から譲り受けたキヤノンA-1で写真を学んでから、最新のミラーレスモデルに至るまで、20年以上にわたってキヤノンの熱心なユーザーでありブランドの支持者だった。EOS R5までは。EOS R5は、私のキヤノンブランドに対する絆を断ち切ったカメラだ。

    EOS R5を購入したのは2年ほど前で、新しいギアに大喜びした。R5は高度なAF、最先端の手ブレ補正、高速連写を実現し、豊かな発色、鮮明な画像など、多くの特徴がある。

    しかし、1年を過ぎたあたりかコード20のエラーが表示されるようになった。このコードについては、キヤノンの公式サイトに曖昧な解説が載っている。このエラーが発生すると、電源を切りバッテリーを入れ直して再起動する必要がある。この現象は最初は週に1、2回の頻度だったが、やがて1日に十数回も発生するようになった。

    調査してみると、この問題は広範囲に広がっているようで、QuoraのディスカッションからYouTubeのチュートリアル、フェースブックのチャットなどあらゆるところで見つかった。問題を調査した後で私は収集したデータを携えてキヤノンに直接連絡を取った。キヤノンの広報のシニアスペシャリストは私のメールに対し積極的に対応し、情報を集めて提供するように言ってきたので、問題が発生したR5ユーザーのフルネームを添えたいくつかの体験談を送付した。

    そして、キヤノンの担当者の要請に従い、このエラーが発生したときの条件(レンズ、メモリカード、バッテリーの種類、ストロボの使用の有無等)を確認したが、特定の条件でこのエラーが発生しているということはなかった。要求された情報をキヤノンに提供したが、その後返信はなかった。

    カメラを調査して貰うために送付したが、購入からわずか1年でシャッターの故障で修理に479ドルかかった。このシャッターは公称50万回の寿命があると言われているシャッターだ。キヤノンはこの件について、二度と回答をすることはなかった。

    また、今年の初めにスタジオでEOS R5で撮影している際に、液晶モニタの5分の1を占める部分が灰色になり、修理に出すと報告書にはLCD破損と記載されていた。

    ある日、EOS R5で手持ちで撮影していると、液晶のパネルが周囲の枠から飛び出し、カラフルな配線でパネルがぶら下がった状態になった。押し込んでも外れてしまうので、無理やりパネルを輪ゴムで固定した。

    そして、仕事でフラッシュを装着すると、フラッシュがホットシューの上でグラグラしているように感じ、確認するとホットシューのネジが緩んでいて、フラッシュとポケットウィザードとの接続ができなくなっていた。しかし、R5はネジがカメラの内側にあるので、ドライバーで締めることができなかった。修理に出すと759ドルという高額な修理費がかかった。

    このような経験をしているのは私だけではない。メカシャッターのエラー、オーバーヒート、カメラの破損に関する報告が急増しているのはなぜだろうか? なぜ、非常に多くのR5ユーザーがこのような経験をしているのだろうか?

    以前のキヤノンのカメラは耐久性を重視して作られており、私のMark II、Mark III, Mark IV(※EOS 5Dシリーズのことだと思われます)は、水や泥、砂漠の撮影をくぐり抜けてきてた。落としても暑い環境でも寒い環境でも濡らしても、壊れたことは一度もなかった。キヤノンのカメラは金庫のように頑丈だった。これがキヤノンを好きな理由の1つだった。いったい、キヤノンに何があったのか?

    同業者とこの件について話し合って様々な意見が出たが、それらはすべてキヤノンのプライオリティの最上位が耐久性ではなくなったという意見に集約されていた。

    これは仮説だが、かつてのキヤノンはキャリアフォトグラファーのためにカメラを作っていて、耐久性が最も価値のあるものだった。しかし、現在、キヤノンの顧客層は変わってきており、キヤノンはブイロガーや日常の撮影をする趣味人のためにカメラを作っている。彼らはカメラに軽さとセンサー性能を期待しており、耐久性にはこだわっていない。キヤノンは5年も6年も使えるカメラを作る必要性を感じていないという仮説もある。

    私はEOS R3を購入するつもりだったが、これらの経験を経て、新しいボディに何千ドルも投資するキヤノンへの信頼はなくなった。これはキヤノンへのメッセージだが、キヤノンはカメラマンの確保を心配しなければならない。他ブランドが台頭してきており、キヤノンのかつての名声は失われつつある。
    私はキヤノンの広報にこの記事についてのコメントを求めたが返信はなかった。

 

特定の1台のカメラだけが何度も故障する場合、運悪く出来の悪い個体を引いてしまった可能性もありますが、仲間のカメラマンや写真関係のフォーラムでも同様の意見が多く出ているとなると、このカメラマンが指摘しているように、R5の製品自体の耐久性が以前のカメラよりも落ちているのでしょうか。

キヤノンのカメラ造りが耐久性を重視したプロ向けから軽さを重視したブイロガーや趣味人向けにシフトしているという「仮説」が立てられていますが、R5クラスのカメラになればR3や1Dほどではなくてもプロの使用を想定していると思いますが、実際、どうなのでしょうかね。