パナソニック「G9II」はAFと手ブレ補正の性能が大幅に改善

DigitalCameraWorldに、パナソニックG9IIのハンズオンレビューが掲載されています。

Hands on: Panasonic Lumix G9 II review

  • パナソニックは最近フルサイズ機に注力しているので、m4/3は段階的に廃止するのではないかと多くの人が推測していた。しかし、パナソニックが依然としてm4/3市場に可能性を見出していることは明らかだ。しかし、スチル機のm4/3カメラに居場所はあるのだろうか?
  • G9IIの最も大きな特徴は、強化されたAFシステムだ。779点位相差AFシステムは、被写体認識と被写体追尾機能も備えており、動物や車、バイクなども効果的に追えるようになった。

  • ボディの全体的なクオリティは素晴らしく、頑丈でよくまとまった作りに感じられる。G9と同様にG9IIも多くの写真家が必要とする全ての操作系(ボタン、ダイヤル、ホイール)を備えており、複雑で扱いにくいタッチパネルのメニューを掘り下げる必要はあまりない。
  • G9からの最大の変更点は肩液晶がなくなり、独立したモードダイヤルに置き換えられたことだが、個人的には肩液晶がなくなったことはあまり気にならない。
  • G9IIの外観はS5IIと同じで、レンズを装着すると違いに気付かないほど似ている。G9IIは全体的に良いカメラだと思うが、デザインは少し古く見える。注意すべき点はG9IIはセンサーが小さいにもかかわらず、ボディが小さくはないということで、小さいことはm4/3の大きなセールスポイントの1つだった。パナソニックはG9IIを優れたエルゴノミクスを備えた完全なプロ用カメラとして売り出している。しかし、m4/3に小型ボディを望んでいるならこのカメラは向かないだろう。
  • ボディの作りで唯一素晴らしくなかったのは、側面の端子を覆うフラップ式のドアで、このドアはあまりにも簡単に開いてしまい、しっかりと押し込まないと閉じたままの状態にならない。

  • G9IIの画像はディテールに富む実に美しいもので、2500万画素なのでトリミングの余地もある。JPEGの発色とダイナミックレンジは素晴らしく、オートホワイトバランスは変化する照明にも一貫して正確だった。
  • カメラとレンズの協調手ブレ補正は際立った性能だった。換算800mmでも7.5段分の効果のIBISとレンズ補正との組み合わせで、安定した視界が得られるだけでなく、手ブレのないシャープな画像が得られた。
  • G9IIが輝いているのは動画性能で、最高の動画用ミラーレスカメラであるS5IIXから多くの素晴らしい部分を受け継いでいる。G9IIの動画では画質だけでなく、手ブレ補正とAFの大幅な改善に感銘を受けた。
  • 動画は標準設定の4K24pしかテストしていないが、映像はシャープで発色は素晴らしく、ダイナミックレンジは非常に優れている。
  • 100-400mmとの組み合わせで車内から保護区で野生動物を撮影するテストでは、車が跳ねても画像は素晴らしく安定していた。ジンバルレベルではないが、私が使った中では最高の手ブレ補正だ。パンニングや歩きながらの撮影ではまだ少しギクシャクするが、止まって撮影する場合に手ブレ補正は真価を発揮する。
  • G9IIのAFは大幅に改善され、他のシステムのAF速度とAF精度に匹敵する性能になったが、認識する被写体の数ではまだ少し後れを取っている。しかし、動物の瞳で追尾が可能で、多種多様な動物で広範囲にテストした結果、AFは非常にうまく機能した。G9IIはテストした全ての動物に素早く合焦し、画面全域で被写体を追尾できた。

  • G9IIはスチルファンと動画ファンの両方に対応するスペックを誇る本格的なハイブリッドカメラだ。G9IIの動画性能は非常に優れた手ブレ補正と、競合他社に匹敵する大幅に改善されたAFのために、驚くべきものとしか言いようがない。
  • スチルの撮影では素晴らしい画像が得られるが、m4/3センサーの特性上トリミングすると若干ソフトで平坦な画質になることがある。
  • G9IIのルーツはスチルメインのカメラだが、今や動画機としての地位を確固たるものにしている。G9IIはスチルも動画も充実したスペックで真のハイブリッドカメラ体験が得られる。より小さなセンサーでも動画ではまったく引けを取ることがなく、効果的な手ブレ補正と改善されたAFにより、競合他社についに追いつくことができた。これは本当にすごいことだ。
  • 良い点:大幅に改善されたAF、ユーザーがカメラ内LUTを作成可能、トップレベルの作りとエルゴノミクス、素晴らしい手ブレ補正、m4/3センサーで換算焦点距離が増す。
  • 悪い点:より大型センサーのカメラと比べて大きさ重さが変わらない。

 

初代G9はスチルに主眼を置いたカメラでしたが、このG9IIのレビューではむしろ動画の評価が高くなっているのが面白いところですね。

G9IIでは特に手ブレ補正とAF性能の進化が大きいようで、AFは認識する被写体の数こそ及ばないようですが、速度と精度では他社に追いついたと述べられているので、かなり期待できそうです。