ニコンはAIを活用したエリア別の画像処理に取り組んでいく

PetaPixelに、ニコン開発陣へのインタビュー記事が掲載されています。

Asking Nikon About the Z 9, F-Mount Lenses, AI, and More

  • (Z9の売上は期待通りかあるいはそれ以上、以下か?)
    Z9はありがたいことに、我々の期待以上のパフォーマンスを見せてくれている。また、Z8ではZ9とほぼ同じ機能をよりコンパクトなボディで安価に提供できるようになったことで、ミラーレス初期に他ブランドに移行した長年のニコン愛好家がますます戻ってきている。

  • (Fマウントのカメラとレンズの将来は?)
    ニコンの戦略は、需要の高いミドルクラスからハイエンドのミラーレスカメラとレンズに注力することだ。一方で一眼レフを好むユーザーも一定数いることは認識しており、今後も一眼レフの販売とサポートを継続していく。(インタビューアー:曖昧な答えだが行間を読むと、新しい一眼レフボディやレンズの開発について言及していないことが重要な点だ。しかし、Fマウントのサポート期間はまだ何年か残っているようだ)

  • (Z9の機能を他の下位機種にアップデートで追加できる?)
    ハイエンドモデルで培った技術は、特にミドルクラスやエントリークラスのカメラを求める顧客の撮影をアシストする上で有益だ。その技術をトップラインに限定することなく、全体に広げてラインナップを強化していきたいと考えている。今後の取り組みに期待して欲しい。

  • (Z30はどのような用途で使用されているのか?)
    Z30は日常のVlogに適したカメラとして、特に若いコンテンツクリエイターに人気がある。若者の間で動画需要が着実に増加しており、この層のニーズに応えるには、エントリーレベルの動画に適したモデルが重要だと考えている。

  • (更にZマウントのサードパーティー製レンズは増えるのか?)
    レンズメーカーがライセンスを取得したレンズを発売することで、顧客はより幅広い選択肢の中からニーズに合った製品を選ぶことができるようになる。これは、Zマウントシステムを検討されている顧客にとって重要なポイントだと思う。レンズの選択肢が増えることは素晴らしいことだ。

  • (APS-Cレンズのラインナップが手薄だが将来はもっと数が増えるのか?)
    ニコンの戦略は、需要の高いミドルレンジからハイエンドのミラーレスとレンズに注力することだ。しかし、APS-Cは写真愛好家の入り口としての役割があるため、重要だと思っている。APS-Cレンズの要望も認識しており、ユーザーに喜んでもらえるように拡充していく。

  • (AIは被写体認識だけでなくスマートフォンのように画像を加工するようになる?)
    今後の取り組みとして、エリア別の画像処理がある。被写体や背景にそれぞれ適した画像処理やノイズ低減処理を施すことで、高い画質が得られる。AIを活用すれば画像の領域を検出するのも容易になる。領域ごとの画像処理は技術の積み重ねが鍵で、これはニコンの大きなアドバンテージだ。

 

Z9とZ8の成功でZマウントは勢いづいて来ましたが、この勢いを今後はミドルクラス機にも波及させて欲しいところですね。

Fマウントシステムに関しては、「既存の製品の販売とサポートを続ける」というこれまでと同じ回答で、インタビューアーの言うように新製品に関してはあまり期待できそうもない雰囲気です。

AIを用いた画像処理に関しては、スマートフォンのようにそれらしい綺麗な画像を作ってしまうという方向性ではなく、AIで何が写っているのかを検出し、エリア別に最適な画像処理を施すことで元の素材をできるだけ高画質化をするという方向性で進んでいくようですね。