ニコン「Zf」は「Df」に期待されていたことを具現化したカメラ

DPReviewに、昨日発表されたニコンのフルサイズミラーレスカメラ「Zf」の初期レビューが掲載されています。

Nikon Zf initial review: the classiest mirrorless of them all?

  • Zfは伝統的なカメラの外観を維持しているが、握りにくいこともなく快適に使用できる。ダイヤルの位置もよく、カメラを落としそうになることなく操作ができる。Zfcはボディが軽く、ダイヤルがプラスチッキーなために薄っぺらさを感じるという批判があったが、Zfは重厚感が増しこの問題が解決している。
  • Zfはダブルカードスロットを採用しているが、サイズを抑えるために2番目のスロットはMicroSDになっている。MicroSDカードは非常に小さく挿入や取り出しが面倒なので、常にカメラに入れたままにしておくのが合理的かもしれない。しかし、SDカードはUHS-IIに対応しているがMicroSDはUHS-Iにしか対応していない。
  • 三脚を使用すると電池室にあるメモリカードへのアクセスができなくなるが、高速なUSB-C端子があるのでデータの取り出しは簡単だ。
  • EVFは368万ドットと特に高解像度ではく、Z8のようなラグがゼロに近いファインダーではない。全体的に中程度のファインダーだが、倍率は0.8倍とかなり良好だ。
  • モニタはタッチ式のバリアングルで、これは動画やSNSに焦点を合わせたZfcでは理に適った選択だったが、Zfではチルトのほうが良かったと思うのは私だけではないだろう。チルトならカメラがもう少し薄くできたかもしれない。

  • Dfはティーザー動画で話題になったが販売上は成功しなかった。しかし、Dfはかなりバランスが悪いボディでベースのD610よりもかなり高価だったが、Zfは全くもってハンサムでZ6IIを上回るスペックを持ちながら、価格はZ6IIと同じだ。
  • テスト機は2時間のスチルの撮影後に温度警告が表示されたが、撮影は32度の環境でしばしば直射日光下で行われたことに注意して欲しい。ただし、自動停止するほど熱くはならなかった。
  • AFトラッキングはZ8やZ9ほどの粘り強くはないが、これは意外なことではないだろう。しかし、被写体認識の性能は優れており、例えば、瞳のトラッキングは正確だ。
  • ZfはZ6IIから前進し、多くの人がDfに期待していたカメラがついに実現されたようだ。あとは、シグマがZマウント用のコンパクトなiシリーズのレンズを発表することができれば、非常に面白くなるだろう。

 

Zfの初期インプレですが、レビュアーの印象はかなり良かったようで、Df登場時に多くの人が求めていたカメラが実現したと述べられています。Zfはレトロ調の魅力的なデザインに加えてスペックも非常に優秀で、かつ価格もそれほど高くなく、全体的にかなり訴求力の高いカメラに仕上がっているという印象です。

AFに関してはZ8やZ9ほど粘り強くないと述べられていますが、ZfはEXPEED7を採用していると言ってもセンサーが積層ではないので、これは予想の範囲内ですね。Z6IIや同価格帯の他社機と比較してどの程度のAF性能なのかが知りたいところです。