ソニー「FE 70-200mm F4 Macro G OSS II」はクラストップレベルの解像力

OpticalLimitsに、ソニーの小三元の望遠ズーム「FE 70-200mm F4 Macro G OSS II」のレビューが掲載されています。

Sony FE 70-200mm f/4 G OSS macro II - Review / Test Report

  • 鏡筒は伸縮式で全長が旧型から2.5cm短くなっており、これは収納性の面では歓迎されるが、内部にホコリが入りやすくなる。重さは800gで旧型とほとんど同じだ。鏡筒は外側は金属製だが内側はプラスチック製で、造りはGレンズへの期待通りの素晴らしいものだ。鏡筒のガタつきは全くない。
  • もう一つの大きな変更点はマクロ機能で、II型は最大撮影倍率が旧型の1:7.7から1:2になっており、少なくともカジュアルなマクロ撮影にはこれで十分だろう。
  • ビデオグラファーはフォーカスブリージング補正機能を気に入るはずだ。

  • 歪曲は極端に強くはないがRAWでは70mmで1.34%、200mmで2.81%の比較的大きな糸巻き型だ。自動補正を有効にすると歪曲はほぼ完全に補正される。
  • 周辺光量落ちはズーム両端では開放で1.6EVで、これは70-200mmの望遠ズームの平均よりも少し高めの値だ。1段絞ると周辺光量落ちは大きく改善し、F11でほぼ解消する。自動補正有効時は周辺光量落ちに気付かないだろう。
  • 解像力は中央はF4からF8ではズーム全域で素晴らしい値で、周辺部では70-135mmまでは同様だが、200mmの解像力はとても良好な値まで低下する。周辺部は70mmと200mmは良好からとても良好な値で、ズーム中間域ではそれよりも少し高い値になる。F11からは回折の影響が見られる。

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  • テストした個体のセンタリング(偏芯の調整)は良好だ。また、像面の湾曲は小さい。
  • 倍率色収差は開放では良く補正されているが、ズームの両端では絞るとわずかに大きくなり、70mm F11では平均1.7ピクセルと少し大き目の値だ。とは言え、倍率色収差は完全に自動補正されるので大きな問題ではない。
  • 玉ボケはわずかに年輪ボケが見られ、また絞ると輪郭が少し強調される。口径食は1段絞るとほとんど解消する。後ボケと前ボケはどちらも滑らかだ。
  • 軸上色収差は開放でわずかに発生するが、F5.6以上では基本的に見られない。

  • FE70-200mm F4 Macro G OSS II の解像力はクラストップのレベルで、コントラストもズームとしてはとても優れている。歪曲はかなり目立ち、周辺光量落ちも平均以上に目立つがこれらは自動補正で上手く補正される。ボケは良好だが単焦点レベルではない。
  • 繰り出すズームに変更されたことは議論の余地があると思うが、鏡筒の造りは素晴らしい。全体として、画質が進化し革新的なマクロ機能を備えた魅力的なレンズだ。大いに推薦する。

 

光学性能の評価は5点満点中4点と、OpticalLimitsとしては非常に良好な評価となっています。このレンズは小型化しつつ光学性能とAF性能を改善し、更に非常に便利な1/2倍のマクロ機能が追加されており、旧型から訴求力が大きくアップしているという印象です。ただ、小型化のために旧型のインナーズームから繰り出し式のズームに変更されたのは賛否が分かれそうですね。