ニコン「Z f」はデザインが美しいだけでなく実に高性能なカメラ

Fstoppersに、ニコンのレトロ調のフルサイズミラーレスカメラ「Zf」のレビューが掲載されています。

Beautiful and Powerful: We Review the Nikon Z f

  • Z fcはボディがチープでプラスチッキーだと感じる人もいたが、Z f はより重く安っぽさやプラチックっぽさとは程遠い感触だ。
  • Z fcは軽量なので、グリップが無くても問題はなかった。Z fは小さなグリップがあるもののF1.8の単焦点レンズとの組み合わせだと、片手で持つには少々重すぎるので、エクステンショングリップの使用が理に適っている。
  • 操作系はシンプルでフィルムカメラを使ったことがある人ならすぐに理解できるだろう。唯一の不満はISOダイヤルにオートの設定が無いことで、メニューを使うか、ボタンを押しながらISO感度を設定するように割り当てておくかしかないのは残念だ。
  • モニタはZ fcと同じバリアングルで、私を含む多くのスチルカメラマンはこの方式を好まないが、画面を完全に隠すことができるという魅力があるのは理解している。
  • EVFはZ fで最も優れた部分の一つで、明るく鮮明で表示は高速だ。

  • 発色は木の葉の緑がやや目立つが、暖色や寒色に傾かないニコン伝統的な自然な色調だ。
  • 2400万画素は多くの人に十分な解像度で、高感度性能やファイルサイズ、後処理のしやすさとのバランスに優れている。ニコンが控えめな画素数を維持したことを称賛したい。
  • AF性能はZ9やZ8と同等ではないが、Z6IIやZ7IIと比べて顕著に改善している。被写体の補足と動いている被写体の追尾は完全にカメラのAFに任せることができ、合焦ミスの画像は信じられないほど少なかった。Z fのAFはα7R VやEOS R6 Mark II といい勝負だろう。
  • 髪の毛で覆われた目にピントを合わせる場合、AFは髪の毛にピントを合わせがちだが、この状況でもZ f のAFは全く問題はなかった。
  • Micro SDスロットの採用は理想とは程遠いが、バックアップできないよりは百万倍マシだ。Micro SDの採用で空いたスペースのおかげで、大型のEN-EL15Cバッテリーの搭載が可能になっており、Z fcの小さなEN-EL25と比べてかなり多くの撮影ができる(1回の充電で1000枚以上の撮影が可能だった)。
  • 外見からの印象と異なり、Z fの動画機能は強力で、4Kで10bit N-Log対応の動画は大部分のビデオグラファーにとって十分だ。

  • 好きな点:デザインがどれだけ気にっているかはさておき、このカメラで最も気に入っているのは2400万画素センサーとEXPEED7プロセッサーの組み合わせで、キビキビと速く確実に動作し、AFは追従性が高く、美しい画像が生成できる。ファインダーも素晴らしい。Z8 / Z9のような威圧感を相手に感じさせないため、ドキュメンタリー作品やウェディング、ストリート撮影に向いている。
  • 気に入らない点:後付のグリップなしでは手になじまなかった。F1.8の単焦点レンズとの組み合わせでは、背面に手を置く場所がないので親指だけでカメラを支えるには重い。
  • Z fは見て楽しめ、使って楽しめる実に素晴らしいカメラだ。デザインが美しいだけでなく、ディテールの描写や発色の正確さ、S/N比、AF性能など、実に高い性能を備えている。ファインダーは高倍率で鮮明だ。もし、シグマがIシリーズのレンズを発売したら、このカメラに完璧にフィットするだろう。

 
Z fはレトロ調のデザインが最大の売りですが、EXPEED7の採用で中身もZ6IIから大きく進化しているようで、デザインだけでなく性能的にも非常に魅力的なカメラに仕上がっているという印象です。AFに関しては、Z6IIと同じセンサーにもかかわらずこれだけ進化しているので、次世代のZ6IIIやZ7IIIのAFにも大いに期待ができそうですね。