タムロン「17-50mm F/4 Di III VXD」は3300~4200万画素までのセンサーなら優れた性能

SonyAlphaBlogに、タムロンの標準域までカバーする広角ズーム「17-50mm F/4 Di III VXD」のレビューが掲載されています。

Tamron 17-50mm F4 Di III VXD

  • 鏡筒の造りは、他の最新のG2シリーズのレンズ同様に非常に優れている。操作部はかなり少なく、フォーカスホールドボタンがあるが、MF/AF切り替えスイッチはない。
  • ズーミングでは繰り出さず、レンズの全長は一定だ。これはジンバル使用時には大きなメリットになる。
  • AFはスチルでも動画でも速く静かで正確だ。連写時のAFは他のタムロンのレンズよりは優れているが、それでもまだソニーのGやGMレンズには劣っている。
  • 瞳AF、トラッキングは完璧に機能する。

  • 解像力テストはα7R IVで行った。中央の解像力は開放から非常に良好だ。隅は中央よりもワンランク低い値で、画面全域でベストの均一性を得るにはF5.6かF8まで絞る必要がある。17mmがベストの焦点距離で、50mmが最も劣る。また、このレンズは近距離(3m未満)と遠距離(3m以上)では性能差がかなりあり、この表は遠距離のものだが、近距離では表よりもワンランク低い性能になる。このレンズは4200万画素までのセンサーでは良好な性能だ。

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  • 遠景(実写)は17mm開放では非常に良好~素晴らしい解像力だが、隅はF5.6に絞った方が良い。50mmでは開放では良い~とても良いの性能にしかならない。
  • 17mmではタル型の歪曲が極めて大きいが、望遠側にズームすると急激に改善し望遠端では歪曲はほぼゼロになる。
  • 周辺光量落ちは17mmでは非常に強いが、望遠側ではかなり改善する。
  • 色収差は非常に少ない。
  • 逆光耐性は平均的で、ハロはかなり多い。
  • F16~F22に絞ると素晴らしい光芒が得られる。
  • 玉ボケは良好で完全な円形だが、かなり年輪ボケが見られる。後ボケは滑らかで非常に良好だ。
  • 色再現はとても優れている。
  • 動画時のAFは完璧に機能する。フォーカスブリージングは非常に小さい。

  • 他のレンズとの比較:解像力の比較では、FE 20-70mm F4 G、FE PZ 16-35mm F4 Gと比べて17-50mm F4が最も後れを取っている。

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  • ボケはFE 20-70mm F4 Gがベストで、次いでタムロン20-40mm F2.8、その次がタムロン17-50mm F4だ。
  • 歪曲はどのレンズも広角端では極めて大きいが、レンズプロファイルで補正できるので問題はない。
  • 逆光耐性の比較では、ソニーFE20-70mm F4Gとタムロン17-28mm F2.8がベストだ。
  • 比較したレンズのうち汎用性で際立っているのは、最高の性能とエルゴノミクスを備えたFE 20-70mm F4Gと、コストパフォーマンスに最も優れるタムロン17-50mm F4だ。

  • まとめ:タムロン17-50mm F4 Di III VXDはしばしばストリート写真やポートレートも撮る風景や建築カメラマンに他にはないズーム域を提供するレンズだ。性能は3300万画素までなら全体的にとても良好だが、要求の厳しいα1やα7RVのセンサーで使う場合は、FE20-70mm F4Gに投資した方がいいだろう。鏡筒のクオリティとAF性能はとても良好で、全長一定で手頃な重さなのでジンバル用に理想的だ。主な欠点は解放時の隅の解像力と逆光耐性だ。このレンズは、α7 III かα7 IV 用として推奨する。

 

タムロン17-50mm F4は、光学性能ではより低倍率の広角ズームやより高価なFE20-70mm F4Gには及ばないようですが、望遠端が50mmまである非常に尖った設計の広角ズームとしては、十分な性能という印象です。特に広角ズームと標準ズームを頻繁に付け替えて撮影している方は、このレンズがあればかなりテンポよく撮影できそうですね。