富士フイルム「GFX100II」は高速連写時に14bitモードでも12bitで記録されることに注意が必要

PetaPixelが、YouTubeチャンネルで富士フイルムGFX100IIのレビュー動画を公開しています。

Fujifilm GFX100 II Review: NOT What We Were Expecting!

  • GFX100IIのデザインは美しくて大好きだ。角度のついたトッププレートは本当に気に入っている。新しいグリップは素晴らしい。唯一疑問なのは端子のドアで、このドアは非常に薄くふにゃふにゃした感じだ。
  • モニタは200万ドット超えで美しいが、それほど完璧なシャープさではない。944万ドットのEVFは非常に大きく明るく美しいもので、120Hzのリフレッシュレートが欲しい場合は0.77倍に倍率を下げる必要があるが、それでもとても素晴らしいディテールだ。
  • IBISはこれまでのGFXのものより大幅に改善されており、非常に上手く機能する。手持ち1/4秒でかなり良い画像が得られている。

  • AFの最大の変更点は被写体認識を搭載したことだ。AFのテストにはリニアモーターを採用し非常にAFの速いGF45-100mm F4を使用し、(ジグザクに走る人の撮影で)まずまずの結果が得られたが、素晴らしいとまでは言えない。AFトラッキングの性能はニコンやキヤノン、ソニーのフルサイズ機と競合するものではないと思う。AFはX-H2などの富士フイルムのAPS-C機に少し遅れを取るものの、期待通りに機能し、しばしばかなり良い仕事をした。
  • ポートレートではAFは着実に改善されており、ほとんどの画像は瞳に正確にピントが合っており、的中率は非常に高かった。ポートレートはこれまでのGFXよりも遥かに楽しめるだろう。

  • バッファは印象的で連写が長く続けられることに感銘を受けた。
  • 画質は単写では16bitで連写モードでは14bitになるが、16bitと14bitの画質は人の目にはほとんど分からず大きな違いではない。
  • GFXの読み出し速度はこれまでの2倍だと富士フイルムは言っているが、これはある意味では事実だが、注意が必要だ。8コマ/秒の連写モードではセンサーの読み出しが高速化され、通常の160ミリ秒から70ミリ秒になるが、実質12bit記録になる。このとき、ファイル容量は14bitと同じでLightroomでも14bitと表示されるが実際には12bitの情報しか記録されておらず、ダイナミックレンジが狭くなる。
  • 連写時の12bitの画像にはまだ多くのディテールが含まれておりダイナミックレンジも広く、12bitになるのは良い妥協点だと思うが、問題は富士フイルムが実際に何が起きているのは説明していないことだ。これは少々不誠実な気もする。

  • 動画は8Kと4Kの両方で1時間15分以上撮影でき、非常に優れた対オーバーヒート性能だ。更に放熱が必要な場合にはオプションのファンも用意されている。
  • 動画の画質は、読み出しが遅いセンサーなので妥協が必要だ。GFX100IIはローリングシャッター歪みが非常に大きくカメラを動かしたり、速く動く被写体を撮影することができない。4K全幅読み出しでは読み出しが速くなるが、このモードはビニングなので解像力が低くなり高感度性能も低下する。
  • GFX100IIではα1やZ8のようなオーバーサンプリングされたカメラの4K動画のような解像度は得られない。富士フイルムは動画に大いに力を入れているが、実際にメインカメラとしては使わないと言わざるを得ない。富士フイルムで動画に最適なボディは依然としてX-H2Sだ。

  • GFX100IIはより優れたAFと魅力的なデザインを採用し、軽量コンパクトでバッテリーライフも長く、進化を続けている。8コマ/秒の連写はダイナミックレンジの問題があり、また、動画カメラとしては理想的ではないが、このカメラは価格を正当化できるところまで改善されていると感じる。

 

GFX100IIはAFや連写の性能を大幅に改善して動体撮影にも対応できることがウリですが、トラッキング性能はやはりフルサイズ機のレベルには達していないようです。とは言え、中判カメラとしてはここまで動体に対応してきたのはすごいことですね。

8コマ/秒の連写では、読み出しの高速化のためにファイルフォーマットはそのままに内部的に12bitモードに切り替えているようですが、これは気になる人には気になるかもしれませんね。

動画に関してはセンサーの読み出しが遅いのが影響しているようで、ローリングシャッター歪みが大きい動画モードか、ビニングで低画質の動画モードのいずれかを選択しなければならないのは悩ましいところです。