フォクトレンダー「NOKTON 50mm F1 Aspherical RF」はこれまでで最も満足度の高い楽しいレンズの1つ

Camera Labsに、コシナのRFマウント用の大口径標準単焦点レンズ「NOKTON 50mm F1 Aspherical RF」のレビューが掲載されています。

Voigtlander 50mm f1 Nokton review

  • NOKTON 50mm F1はこのような大口径のレンズとしては驚くほどコンパクトで、鏡筒は頑丈だが615gと重くはない。かなり重いRF50mm F1.2Lや巨大なOtus 55mm F1.4とは異なり扱いやすいレンズだ。
  • 金属製の鏡筒は優れた品質だ。マウントにシーリングはなく耐候性については言及されていないが、小雨の中でも問題なく使用できた。
  • フォーカスリングはバターのような滑らかな操作感だ。回転角は180度と十分大きい。フォーカシングで鏡筒は1cm繰り出す。昔ながらの機械式のフォーカスリングは、スチルも動画も驚くほど正確なピント調整が可能で、現代のAFレンズに欠けている没入感が得られる。
  • マウントには電子接点があり、EXIF情報の伝達やIBISとの連動、MFアシストにも対応する。EOS R5の各種フォーカス補助機能を使用すると、開放のF1.0で驚くほど素早く簡単に正確なピント合わせができる。

  • サンプルはほとんどがF1.0で撮影したものだが、NOKTON 50mm F1はシャープなディテールと魅力的な色乗り・コントラストで素晴らしい画像が得られる。画像にはポップ感があり最近のミラーレスレンズよりも個性的なレンズとなっている。
  • RF50mm F1.2Lの方が50mm F1よりもシャープで、50mm F1はF2に絞らないと同等の鮮明さは得られない。F2以上ではシャープになるが、F1ではカミソリのような切れ味を期待しない方がよい。
  • 周辺光量落ちはF1では顕著だが、これは後処理で簡単に改善できる。
  • 厄介なのは軸上色収差で、これは白い空を背景にした枝などで特に顕著だが、これは超大口径のレンズでは珍しいことではない。
  • このレンズは自動補正を一切行っておらず純粋な光学的な撮影結果だ。これは高度に補正された冷たく感じることが多い最近のレンズと比べると新鮮だ。
  • 玉ボケは年輪ボケや輪郭がなく滑らかで美しい。口径食はF4程度でなくなる。
  • いくらかフォーカスシフトが見られ、絞るとピント位置がずれるので、絞りを絞ってからピントを合わせるのがベストだ。

  • NOKTON 50mm F1は長年使用してきたレンズの中で最も満足することができ、楽しいレンズの1つだ。特に開放時の描写は、最高のミラーレス用レンズの究極のシャープさや収差の補正には及ばないかもしれないが、それを補って余りある個性を持っている。しかし、最も驚いたのはマニュアルフォーカスの使いやすさと楽しさだった。EOS R5のAFアシスト機能と、バターのように滑らかなピントリングの組み合わせで、ピント合わせは苦労もなく楽しく行うことができた。
  • 現代の写真体験は完璧さを追求するあまり無機質で冷たいものに感じられることがあるが、それとは対照的にNOKTON 50mm F1のフォーカシングは、どの機材よりも魅力的に感じられ、必ず笑顔になれるものだ。
  • 多くのレンズが大きく重くなっている現在、50mm F1はコンパクトで扱いやすく、ほとんどのシチュエーションでカメラに付けっぱなしにしておきたくなるレンズだ。個人的にはRF50mm F1.2LやツァイスOtus 55mm F1.4よりもこのレンズが欲しい。

 

Camera Labsがここまでレンズを大絶賛するのは珍しいですね。NOKTON 50mm F1は開放付近の解像力や収差の補正ではRF50mm F1.2Lには敵わないようですが、個性的で新鮮な描写と、使いやすく楽しめるマニュアルフォーカスとの組み合わせで、非常に満足度の高いレンズに仕上がっているようです。マニュアルフォーカスがここまで褒められていると、操作感を味わってみたくなりますね。