パナソニックはLUMIXへのAI適用範囲を広げて新たな価値を生み出せるように開発していく

LUMIX Magazineに、LUMIX先行開発チームによるLUMIXのカメラ開発に関する話が掲載されています。

私達の仕事は「思いを数値に変える」こと。カメラ作りの先陣を切る「先行開発」の頭の中とは。

  • カメラにおける「開発」とは、概念的には「思いを数値に変える」役割と考えている。「お客様が実現したいことはそもそも何なのか」を考え、試行錯誤し、機能に落とし込んでいく。単なるモノを作ってるというよりは、モノが持つ意味を具現化することが、「開発」という役割だと感じている。
  • コストや電力の兼ね合いで全てを実現できるわけではなく、どこかで割り切りが必要な場面もある。「本来100点満点を出したいところを製品化にあたって何点で割り切るのが現実的なのか」を見極めることに、いつも苦戦している。
  • ヴィーナスエンジンの展望:大前提として今のLUMIXファンを裏切ることなく、リーズナブルで、新規ユーザーにも喜ばれるような開発をしていきたいと考えている。100万円以上もするような非常に高価なカメラを作るよりも、お手元に迎えやすいような価格帯で、美しい描写や快適な撮影体験を実現するエンジンを開発していきたい。
  • AIの開発:カメラのAIは大規模なAIシステムとは異なり、モバイルデバイス上で動作するため、数千分の1もしくはそれ以下のハードウェア性能で実現しなければならない。そのため、ハードウェア性能を最大限に活かせるよう、私たち技術者は知恵を絞って機能開発をしていく。
  • 2018年にカメラ業界で初めて、GH5SでAIによる自動認識機能を搭載した。
  • 自動認識において認識精度50%では実用に耐えないため、私たちは認識精度90%以上を目標と設定して開発を行ってきた。
  • AI開発の今後:AI技術の進化スピードは速く、次々と新しい技術が発表されている。AI技術はこれからも当面進化し続けるだろう。現行商品では、AIを自動認識にしか適用出来ていないが、今後は適用範囲を広げて新たな価値を生み出せるように、開発していくので期待して欲しい。

 

AIに関しては、カメラの画像処理エンジンが非力で制約が大きいために開発が大変なようですが、被写体認識以外にAIの適用範囲を広げる方向で開発を行うということなので、今後のLUMIXにどのようなAI機能が登場するのか楽しみですね。