ソニー「FE 300mm F2.8 GM OSS」は「α7R IV」でテストしたレンズではこれまでで最高の解像力

PCmagに、ソニーの小型軽量の超望遠単焦点レンズ「FE 300mm F2.8 GM OSS」のレビューが掲載されています。

Sony FE 300mm F2.8 GM OSS Review

  • FE300mm F2.8 GM OSSの重さはわずか3.2ポンドで、(Aマウントの300mm F2.8 G SSM IIは5.2ポンド)よりも大幅に軽い。このレンズは信じられないほど軽い。
  • フードは大きめで、頑丈なカーボンファイバーが使用されており、内部には反射を押さえるマットブラックのフエルトが採用されている。
  • 三脚座はアルカスイス対応にして欲しかった。
  • 手ブレ補正は1/8秒のスローシャッターでも有効であることがわかった。これは約5段分の補正効果だ。
  • 鏡筒には4つのファンクションボタンが配置されおり、カスタマイズできるが、4つともに常に同じ機能になり、別々の機能を割り当てることはできないので注意して欲しい。
  • このレンズには400mmと600mmに採用されているプリセットフォーカス機能(ボタンを押すだけで指定した距離にフォーカスできる機能)が省略されている。レンズの価格と対象ユーザーを考えると、この機能の非搭載には驚いている。
  • AFは非常に速く、近距離から遠距離まで瞬時に合焦する。このAFの速さによってプリセットフォーカス非搭載の欠点が補える。
  • このレンズには2つのフォーカスリングがあり、1つは標準的な設計の大きなもので、リニアに動作し回転角は190度だ。もう1つのフォーカスリングはかなり細く、アナログのジョグダイヤルのように機能する。このリングはラックフォーカスを簡単に行うことができるので動画に便利だ。
  • 動画ではフォーカスブリージングに注意が必要だが、α7 IV以降のカメラではブリージング補正機能が搭載されているので、これを使用することを勧める。
  • このレンズの最短撮影距離は2メール、最大撮影倍率は1:6.25でマクロ域までは寄れない。近接撮影は望遠ズームの方が強い傾向がある。

  • ラボテスト:α7R IVでテストしたレンズの中で最高のスコアが得られた。開放での解像力は5700ラインの傑出した値で中心から済まで一貫している。画質はF5.6まで安定しているが、F8では5100ラインになり回折の影響が見られ始める。
  • 光芒は広角レンズの方が発生しやすいが、このレンズでも適切な状況下では心地よい光芒が得られる。
  • 逆光では室内でのテストではF2.8~F5.6で光源の周囲に柔らかいフレアが見られた。ゴーストはF8で現れる。
  • 歪曲はわずかな糸巻き型で、周辺光量落ちはF2.8~F4で見られるが、どちらも大きな問題はない。
  • ボケは軸上色収差は見られず、玉ボケはバブルボケの兆候もなく輪郭は柔らかい。玉ボケは開放では画面の隅ではわずかに口径食が見られるが、F4では円形になる。F5.6からは玉ボケは多角形になる。
  • FE300mm F2.8 GM OSSは地元のアリーナやサッカー場などの薄暗い環境での撮影や薄明の野生動物の撮影などにお勧めだ。羽毛のような軽さと天候に左右されない向上、そして素晴らしい画質で、ソニーシステム用のお気に入りの1本となった。
  • 結論:際立った軽さと最高の画質、素早いフォーカスを兼ね備えた稀有なレンズで、高い価格も納得できる。
  • 良い点:際立った光学性能、3.2ポンドの軽さ、120コマ/秒の連写に対応するリニアAF、豊富な鏡筒上の操作系、40.5mmのリアフィルター対応。
  • 悪い点:三脚座の足がアルカスイス対応ではない、フォーカスプリセット機能の省略。

 

FE 300mm F2.8 GM OSSはサンニッパとしては非常に小さく軽いレンズにもかかわらず光学性能は極めて優秀で、AFも申し分なく速く、非常に訴求力の高い超望遠レンズに仕上がっているという印象です。400mm F2.8や600mm F4にあるフォーカスプリセット機能が省略されているのは不思議ですが、AFが優秀なので必要ないという判断なのでしょうか。