大手カメラメーカーはなぜフィルムカメラを作らないのか

DigitalCameraWorldに、フィルムカメラの開発に関する意見記事が掲載されています。

Why aren't more of the big-name camera brands making modern film cameras?

  • ペンタックスは最近、1年の開発期間を経て全く新しいフィルムカメラのプロトタイプの開発を終えたことを発表した。これを聞いて、私はなぜ大手カメラメーカーが現代のフィルムカメラを作らないのか疑問に思った。

    フィルムカメラの需要があるのは明白で、ライカはわずか8年間でフィルムカメラの売上が900%増加し、現在ではフィルムカメラの売上がライカの総売上の30%を占めている。最新のフィルムカメラは購入できないわけではなく、Kodak M35やIlford Sprite35-IIなどがあり、ハーフサイズのKodak Ektar H35もある。

    ほぼ全ての大手カメラメーカーは開発リソースの100%をミラーレスカメラとレンズに投入しているが、新しい領域を開発する余地は少しはあるのではないだろうか? 優れた画質とヴィンテージの美的感覚を併せ持った上質な作りの最新のフィルムカメラが登場すれば、私は胸が高鳴るだろう。

    私が求めているのは、1970年台のフィルムカメラと同じ水準で作られたフィルムカメラで、修理が簡単にできるように最新の部品のみを使用しているものだ。ペンタックスがフィルムカメラの需要があることを証明できれば、特に写真家はブランドへの忠誠心が非常に高いので、他メーカーも追随するのが賢明だと思う。

    残念なことにカメラメーカーはトレンドを捉えるのが遅いことが知られており、ペンタックスのフィルムカメラが市場に出て成功したとしても、大手カメラメーカーの製品が登場するまでに数年かかるかもしれない。

    新しいペンタックスのフィルムカメラが店頭に並んだら、誰が手に取るのか興味深い。昨年の10月にペンタックスは2024年に4機種の新型フィルムカメラを発売すると発表した。ペンタックスはフィルムカメラのトップイノベーターになるための一方通行の道を歩んでいるのかもしれない。

 

ペンタックスに続いてニコンやキヤノンがフィルムカメラに再参入して70年代のフィルムカメラが復刻されたりしたら非常に面白いですが、発売しても大手カメラメーカーが求めるほどの数はでないでしょうし、実際には難しそうですね。まずは、ペンタックスのフィルムカメラプロジェクトの第1弾が成功して、続く一眼レフのフィルムカメラの開発につながることに期待したいところです。