キヤノンの3層ハイスピード積層型センサーの特許出願

PetaPixelで、キヤノンの3層目のレイヤーを追加したハイスピード積層型センサーの特許が紹介されています。

Canon Patents a Triple-Layer High-Speed Stacked Image Sensor

  • 日本で出願されたキヤノンの新しい特許は、3層ハイスピード積層型イメージセンサーの概要が説明されており、非常に興味をそそられる。

    この特許(番号JP2024-019961)は、ハイスピードの光電変換を約束する積層型イメージセンサーについて説明しており、3層構造のセンサーは、上部の半導体層、中間の読み出し回路層、および下部の画像信号処理層を含んでいる。

    ソニーの典型的な積層型イメージセンサーと比べると、キヤノンの特許のセンサーには追加された層がある。ソニーの積層型センサーは、光を吸収して電気信号に変換する1つ目の層と、情報を受け取って実際の画像に処理する2つ目の処理層に分かれている。

    キヤノンの特許は、電気変換と処理のステップを2つの異なる層に分けたセンサーについて説明されているようだ。キヤノンは、この3層設計が画素密度を高め、電気抵抗を低減し、より速い変換速度(すなわちより速い処理)を可能にすると主張している。

    キヤノンはEOS R3の積層型センサーで処理能力を向上させ、全体的なパフォーマンスを向上させることができた。今回の特許では強化された処理性能によって、オンチップでTOFの測距が可能になるとも言及されている。例えば、自動運転用のカメラはこのようなセンサーから大きな恩恵を受ける可能性がある。

    この特許の3層イメージセンサーがキヤノンのカメラに搭載されることはないかもしれないが、キヤノンのエンジニアがカメラの性能と速度を向上させる新技術に取り組んでいるのは間違いないだろう。

canon_patent_JP2024-019961_001.jpg

キヤノンが特許を出願している3層積層型センサーはより高速な処理が可能になり、センサーのみでTOFの測距も可能になるということで、もし製品化されれば一般向けのデジカメで使用できるかどうかはともかくとして、かなり有用なセンサーになりそうですね。

ただ、現在、2層型の積層型センサーでもかなり高価なので、3層型になると更に高価で手が届かないような価格になりそうな気もします。