OM SYSTEM「OM-1 Mark II」はトラッキングAFの性能が大きく改善している

PetaPixelに、OMDS(OM SYSTEM)OM-1 Mark II のレビューが掲載されています。

OM System OM-1 II Review: Could This Have Been a Firmware Update?

  • OM-1 Mark II は旧モデルのOM-1ほどの話題性はなく、当面の一時しのぎのカメラだが、このカメラが悪いカメラだと言ってるわけではない。OM-1 Mark II がOM-1よりも優れているのは間違いない。しかし、新フラッグシップ機に期待されるパフォーマンスと機能は提供されておらず、OM SYSTEMのファンが満足できるものではないだろう。
  • OM-1 Mark IIではライブNDが改良され7段階のNDフィルターが使用できるようなった。この機能はソフトウェアベースの機能だが、Mark IIのハードに依存する可能性があるため、OM-1には搭載できないかもしれない。
  • ハイレゾモードには14bit RAWが追加され、更なるダイナミックレンジと階調が得られるので特に風景には最適だ。この機能もMark IIのメモリの追加に依存している可能性があるが、それでもOM-1への追加を期待している。
  • 残念なことに動画の分野では動画モードとヒストグラムに関しては何も変わっていない。標準カラープロファイルで10bit動画を記録できず、LogかHLGを使用することになる。ヒストグラムも依然としてLogの露出設定を適切に示していない。

  • AFはこれまでのオリンパスのカメラは動体追尾AF(トラキングAF)の性能が非常に悪かったので、基本的に使わないようにしてきた。旧型のOM-1も同じ問題を抱えており、唯一救いだったのは被写体検出モードが非常に効果的だったことだ。しかし、OM-1 Mark IIでは追尾のアルゴリズムが改善され、被写体検出できない被写体でも使用感が著しく改善している。
  • OM-1のコンティニュアスAFの性能は良好ではあるが、より大きなセンサーのいくつかの機種には負けている。OM-1 Mark II はAF性能に関してはフルサイズのフラッグシップ機には及ばないが、改良によってその差は縮まっている。OM-1 Mark II は競合機であるパナソニックG9IIに引けを取らない。

  • OM-1 Mark II のIBISはOM SYSTEMのカメラで最高の性能で、これまで見たカメラの中で最も安定している。
  • 初代OM-1はRAWで100枚撮影できるもののバッファがすぐにいっぱいになってしまったが、Mark IIではバッファー容量が2倍以上になったことで、スローダウンするまでに260枚の撮影が可能だ。これはSDカードの書き込みが遅いことを考えるとこれは歓迎すべきことだ。とは言え、もしCFexpressを採用していれば、どれだけの性能になっていたのだろうと思わずにはいられない。
  • ゴム製の電子ダイヤルは以前のものよりも遥かに操作しやすくなっている。OM-1のダイヤルは手に力を入れないと滑ってしまうことがよくあったが、Mark IIのダイヤルは力を入れずに回すことができる。これは手袋をしている時には特に便利だ。

  • パナソニックG9IIはAF性能と動画性能で旧型のOM-1を上回ったが、OM-1 Mark II は再び最も魅力的なスチル用カメラになった。バッファとAF性能の改善は最も必要とされていた重要なものだ。それでもOM-1とOM-1 Mark IIとの違いはかなり小さいものであることは否定できない。わたしは、OM-1やG9IIを捨ててOM-1 Mark IIを手に入れることはないだろう。OM-1 Mark II が登場した理由は、カメラの改良よりもブランド名を変更するためという理由の方が遥かに大きいのかもしれない。
  • OM-1 Mark IIを購入するべきだろうか? ノーだ。OM-1を持っているなら買わない方がいい。変更点は良いものでAF性能の改善は歓迎すべきことだが、全体的には本格的なアップグレードというよりもQOL(満足度)の改善のように感じられる。OM-1の購入を検討していた人や初めて本格的なm4/3カメラの購入しようとしている場合はOM-1 Mark IIを購入してもいいだろう。

 

OM-1 Mark IIでは旧型のOM-1の懸案事項だったトラッキングAFが著しく改善されているということで、これはOM SYTEMの弱い部分だったので歓迎されそうですね。とは言え、他社のフルサイズの高性能機にはまだ及ばないようなので、将来的には更なる改善を期待したいところです。また、ハードウェア的に可能ならこのAFを旧型のOM-1にも導入して欲しいものですね。