パナソニックの有機センサーは完成しているが使用されない可能性が高い

PetaPixelに、パナソニックの有機センサーの開発状況に関する記事が掲載されています。

Panasonic's Organic Sensor May Be Complete, But Likely Won't Be Used

  • パナソニックが富士フイルムと共同で2013年から開発してきた有機センサーの未来は明るいとは言えない。同社は2023年には「有機センサーを数年以内に商用化したい」と述べていたが、このセンサーが近い将来カメラに搭載されることはなさそうだ。

    有機センサーはクロストークを低減していて、それぞれのピクセルが意図した色の光のみを捉え、光が隣接するピクセルにこぼれて色が濁ることがない。これは素晴らしいことのように聞こえるが、実際のところ有機センサーの利点は2013年当時と比べると、今では遥かに印象が薄いものだ。有機センサーの高感度性能と広ダイナミックレンジは、10年以上前のセンサーテクノロジーではなく、現在のそれと比較検討する必要がある。

    パナソニックのスーパーバイザーである中西氏はPetaPixelの取材に応じ、有機センサーは既に利用可能か、それに近い状態であり、パナソニックのカメラ設計者が自社のカメラに使用することを検討する可能性はあるが、それは実現していないと述べている。

    「新型カメラで有機センサーを選択することは可能だ。しかし、これは研究開発の問題で、次のカメラに有機センサーを使うかどうかは確実ではない」

    どのセンサーを選択するかは長所と短所のバランスを取る必要があり、現時点ではその分析から有機センサーを選択していないという。PetaPixelが「(有機センサーを)作ったものの使うかどうかはわからない」と表現したところ、それに対し中西氏は「そうだ」と答えた。

    ここ数年、有機センサー存続の可能性に疑問を投げかける兆候がいくつかあったため、有機センサーの新型カメラへの搭載を期待し続けている人は多くはないだろう。開発開始から11年が経ち、パナソニックのコメントは自社のカメラ開発で有機センサーを選択しないことを示唆しているようだ。現時点ではパナソニックの有機センサー搭載カメラの登場は期待しない方が無難だろう。

 

パナソニックの有機センサーはほぼ完成しているようで、カメラへの搭載も可能な状態にあるようですが、有機センサーのメリットとデメリットを天秤にかけると、今は通常型のセンサーを採用した方が良い結果が得られると判断しているようですね。

ここ10年で通常のCMOSセンサーの高感度性能やダイナミックレンジは改善し、読み出し速度の面でも大きく進化しているので、開発に時間をかけているうちに有機センサーが相対的に見劣りするようになってしまったということなのかもしれませんね。