ライカSL3は文句のつけようがない素晴らしい画質だがAFは期待したほどではなかった

DigitalCameraWorldに、ライカの新しいフルサイズミラーレスカメラ「SL3」のレビューが掲載されています。

Leica SL3 review: this is the first Leica that I would actually buy

  • ライカSL3は、ライカのミラーレスカメラで私が初めて夢中になったカメラだ。このカメラは非常に優れており、ライカで最高のカメラであるだけでなく、ミラーレスの中でも最高のカメラの1つだ。
  • SL3 は高解像度に必要な高速転送を実現するために、CFexpress Type Bが導入されている。しかし、メモリが高速になったにもかかわらず連写速度はSL2から少し低下し、MF時で20コマ/秒から15コマ/秒に低下している。AF時は5コマ/秒に制限される。
  • AFは以前のコントラストベースのものはかなり遅く光の状態が悪い場合は不正確になることが多かったが、新しい位相差AFシステムはトップレベルの性能になっている。
  • 曲線と直線の魅力的な組み合わせによるデザインは見た目が美しいだけでなく、エルゴノミクスも非常に快適だ。
  • モニタは可動式になったが、下方向には傾かないのでハイアングルの撮影は難しい。私はバリアングルモニタの方が好みだ。しかし、ライカはチルトかバリアングルかを決定する際に多くの調査を行っており、このチルトの採用はライカの顧客を考えるとおそらく理に適っている。
  • ボタン配置が変更されており、SL2で左側にあったボタンが右側に移動したため片手で操作できるようになった。これはストリート志向のライカユーザーに適した変更だ。
  • SLシリーズのメニューは常に素晴らしいものだったが、SL3では全体的に見直され、更に良くなった。このメニューは信じられないほどのカスタマイズ性がある。
  • 6000万画素センサーの画像はただただ美しいもので、中判カメラに色深度やダイナミックレンジを実現している。SL3は私がこれまでスチル用に使用したカメラの中で最高のカメラの1つで、個人的にはゴージャスな白黒モードで撮影するのが幸せだ。
  • AFは人や顔にしっかりと張り付き、ストリート写真などを簡単に撮影できるが、素早く動く動体のために設計されたAFシステムではない。AF追従の連写が5コマ/秒であることもそれを示唆している。動きの速い被写体や不規則に動く被写体ではAFの弱い部分があらわになる。
  • AFは動画では特に暗い場所ではあまり強くなく、人はかなり上手く追いかけられたが、車などの被写体は簡単に見失ってしまった。
  • 動画の画質は美しいが、EOS R5の8Kは更にその上を行く。
  • 画質はデュアルベースのISOのおかげで、暗い場所でもクリーンな画像が偉える。
  • IBISは非常に堅実に動作するが、EOSやOM、富士などの8段分の補正に慣れていると、SL3の5段分の補正との違いに気付くだろう。スチルには十分すぎる性能だが、動画ではジンバル代わりにはならない。
  • 唯一の真の欠点はバッテリーライフだ。通常CIPA規格のバッテリーライフは非常に保守的な値で、実際はそれより長く使えるが、ここではCIPAの数値が気が滅入るほど正確だった。カタログスペックでSL3は260枚の撮影が可能だが、実写で272枚しか撮れなかった。
  • SL3の画質は文句のつけようがないほど素晴らしく、改良されたFotosによるワークフローの改善には驚かされる。6000万画素センサーや8K動画、位相差AFなど非常に多くの武器を備えているが、バッテリー寿命はかなり厳しく、AFは期待したほど忠実ではなかった。全体的に並外れたカメラだが、非常に高価なカメラでもある。人によってはこの価格を正当化できないかもしれないが、私に言えることは、このカメラが自分のお金で買わざるを得なかった初めてのライカのカメラだということだ。SL3はそれほど素晴らしいカメラだ。
  • 良い点:汎用性の高い6000万画素センサー、8K30fpsの動画、位相差AF、信じられないほどの画質。
  • 悪い点:バッテリーライフが厳しい、時々AFが遅くなる、チルトのみのモニタ、連写速度が遅い。

 

ライカSL3はここでは極めて高い評価で、レビュアーは自腹でこのカメラを購入してしまったということなので、本当にSL3が気に入っているようですね。

ただ、画質やハンドリングに関する評価は極めて高い一方で、AFは動体撮影には向いていないという評価で、連写もAF連動ではわずか5コマ/秒と、動体を含めてなんでも一通り撮りたいという方には少し物足りない性能かもしれませんね。風景やポートレートなどが中心で、特に画質重視の方にはSL3はよい選択肢になりそうです。