ニコン「Z 28-400mm f/4-8 VR」は開放から良好な画質で利便性の高いレンズ

PetaPixelに、昨日発表されたニコンの新しい高倍率ズーム「Z 28-400mm f/4-8 VR」のハンズオンレビューが掲載されています。

Hands-On With the Nikon Z 28-400mm f/4-8 VR

  • AFはSTMで、望遠端のAFは特に速くはないものの滑らかだ。近距離から遠距離までピントを合わせる場合は少し時間がかかるが、主に遠距離中心になる実際の使用場面では問題はない。また、標準域から広角域のAFは十分に速い。
  • このレンズは驚くほど軽く、Z6のような軽いボディでもバランスは良好だ。しかし、望遠端ではかなり長くなり、フィルター径も77mmなので太い。広角端でもバッグの中でかなりのスペースを占める。
  • ズームリングは幅が広くフードを逆付けにしている状態でも操作しやすい。また、ズームリングにロックスイッチが付いているのも気に入ってる。AFやVRの切り替えスイッチは搭載されておらず、本体側で設定する必要がある。

  • 高倍率ズームは非常に複雑なレンズ構成なので逆光耐性が心配だったが、このレンズはフレアはほとんど見られず、ゴーストも最小限に抑えられており、逆光耐性の高さには驚いた。光芒は予想通り特に素晴らしいものではない。
  • ボケはこのレンズの長所ではなく、玉ボケに年輪ボケは見られないが、玉ボケの外周に奇妙な二重のリングが見られる。また、絞ると玉ボケは明確に多角形になる。このため、背景のボケは滑らかではなく混沌としている。しかし、このレンズは暗いので、ボケの欠点はそれほど目立たない。
  • このレンズは広角端でも望遠端でもほぼ1:3の接写が可能で、クローズアップ撮影を楽しめた。このことでかなり汎用性が高くなっている。近接域のAFは正確で、解像力もまずまずだった。
  • 解像力チャートでの評価はしていないが、サンプル画像ではズームの両端で優れた解像力が得られていることがわかった。隅の画質も上手く補整されており、開放でも良好な性能を発揮している。全体的に画質には問題はなく、利便性の高いレンズだ。

  • このレンズの評価は暗さを許容できるかどうかで決まる。28mm開放はF4で問題ないが、望遠側ではすぐに暗くなり、200mmではF8になる。晴れた日の気軽な撮影や旅行用としては許容範囲内だが、野生動物の撮影ならもっと明るいレンズを探した方がいいだろう。それでも、このような多用途なレンズでは、サイズと暗さはトレードオフとして許容できる。400mmの望遠の存在がフィールドの撮影で大きな違いを生むのは否定できない。
  • このレンズひとつで全てのことができると期待すべきではないが、幅広い用途で使える優れた画質が得られるレンズだ。

 

Z 28-400mm f/4-8 は開放から十分に良好な画質を実現しているようで、超高倍率ズームであることを考えると画質的には上手くまとまっているという印象です。ボケの評価はあまり芳しくありませんが、これは高倍率ズームなので、仕方のないところですね。

気になるのはやはり暗さで、200mmでF8になってしまうのは少々F値が落ちるのが速いという印象です。明るい場所なら万能レンズとして使えそうですが、木々が茂っている場所で鳥や野生動物を撮影するなどの用途では別の選択肢を考えた方がよさそうですね。